嫌い！大っ嫌いッ！でも、好き？

20.私らしさ…？ ページ22

ｼｭｯ、ﾎﾞﾁｬﾝ…ｯ！


「んー、Aらしいんじゃない？」
「らしい…って」
「ボクだってその場に居たらAと同じことしたと思うし…相手を泣かすまではしないけどね」


川に向けて石を投げ飛ばし遊ぶミナトにコレまでの経緯を話せば " 私らしい " の一言でまとめられた
らしい…って何さ？
人がちょーっと真面目に話せばコレだ
……まぁ、ミナトも真剣に……聞いてるのか？思いっきり遊びながら聞いてる気がするだけど…


「それに女の子を苛めるなんて男としても情けない話だ、よッ！！」


ｼｭ、ｼｭ、ｼｭｯ、ﾎﾞﾁｬﾝ…ｯ！


「うわぁーミナトはカッコいいねぇ」
「ん！ありがとっ！」


パチパチッと軽い拍手を送れば素直に喜ぶミナトに呆れた
見た目も中身も格好いいことで…
幼馴染として誇らしく思うけど
生憎、私はひねくれ者だからムカついてしまうのだ


「ねぇ、ソレ…楽しいの？」
「Aもやってみる？」
「できるかなー？」
「コツを掴めば出来るよ！」


川に投げる為の石を探してる ( コトにさっき気づいた ) ミナトに聞いてみた
まぁ、面白くなかったらこんなに遊びはしないけど…
ちょっとは興味があるからやってみたい気持ちはあった
珍しく興味を持った私に少し興奮気味に応援するミナトの声を無視して、ミナトの見よう見真似で石を投げてみたけど―――


ﾎﾞﾁｬﾝｯ！！


「………。」
「ははっ！下手くそだね」
「ぅうるさいッ！！//」
「んーぁ、これが良いね…コレを持って手首をこう、動かして…それでちょっと前屈みになる」
「こ、こう…？」
「もう少し力まないで…ん！このまま投げてごらん？」
「えいっ！」


ｼｭ、ｼｭ、ｼｭ、ｼｭｯ、ﾎﾞﾁｬﾝ…ｯ！


「！？ ミナ――ッ！」
「ん！上手く出来たね！」
「へへ〜っやった！」


不服だけどミナトに教えられた通りにやれば、面白いぐらいに石が水を跳ね飛び
思いの外、遠くまで飛んでいったコトに驚きバッ！とミナトの方を見れば嬉しそうに笑うモノだから釣られて一緒に笑った
上手く出来れば楽しい…カモ


「――A」
「ん？」



「Aはシカクのコトが本当に好きなの…？」

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