嫌い！大っ嫌いッ！でも、好き？

12.将来のユメってヤツ ページ14

ザワザワと教室中がザワつく
赤毛なんて初めて見た！
それに転校生ってのが珍しい


「静かにしろ！此方は転校生の――
「ぅ、うずまきクシナだってばねッ！！…ぁっ//」


元気よく発せられた変わった口癖にその場に居る皆は一同に黙り伏せた
勿論、私もその１人だ
その空気を作ったクシナちゃんは赤面して塞ぎ込む始末


「元気な子が来たね〜」
「仲間が増えて良かったな」
「何か言ったかねーっ？シカクさぁんんっ！！」
「ひひっ！」


シカクのふざけた発言にお喋りな口を両手で引っ張ったけど、本人は楽しむ結果に終わった
何が仲間だ！
クシナちゃんに失礼だろ！！


「えー、今日の授業は " 将来の夢 " について発表してもらうぞー」


うげ…っ
まさかのそのネタを振ってきます？
嫌な記憶がフラッシュバックしてきた
チラリと廊下側の一段下の席に座っているミナトの方を見た
なんであんなコト、私なんかに話したんだろう


「珍しいな」
「んぁ？何が？」
「お前がミナトの方を見てるってことが、だよ」
「！！ば…ッ！！違っ、そんなんじゃ――」

ｶﾞﾀｯ

「ぉ！Aが一番乗りか」
「！」


シカクの軽い挑発に図星を突かれ慌てて訂正しようとしたら何を勘違いしたのか、先生がニコニコ笑顔で 「前に出て発表してもらうからなー」 なんて言うもんだから私も含めてブーイングの嵐が教室中に響いた
一度口にしたことは曲げない頑固者の先生に折れるのはいつも生徒である私達で――
嫌々、私は降りて行った
隣からは憎たらしい笑みで手を降って見送るシカクに拳が震えたのは言うまい


「あ―……」


うわ、見渡すんじゃかった
いつもにも増してキラキラな存在を輝かせてるミナトが視界に入っちゃったよ
…ったく


「私の将来の夢は――」

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