つまり私は、キセキという吸血鬼の生贄な訳で。【黒バス】

06＊.°血液 ページ6

貴方「わからない、です」

黄瀬「違う。分かろうとしないだけ」


不敵な笑みを浮かべた黄瀬は、迷いのある橘に歩み寄る。
それはまるで、悪魔のささやき。
誘惑に誘惑を重ね、相手を陥れる…悪魔。


貴方「どうしたら、…
どうしたら、ここから出られますか」

赤司「簡単さ。

黙って体を差し出せばいい」


単純な質問に単純な回答。
難しいことは何一つとして無い筈なのに、橘は今だ誘惑と混乱をさまよっていた。


黄瀬「ほら、こうやって…」

貴方「きゃっ」


ぐい、と体を引っ張られたかと思うと、黄瀬は橘の首筋にキスを落とした。

そして慣れたかのように……


貴方「いたっ」

ちくり、と犬歯が刺さる。

ゴクリ、と血の流れる音。


首筋を伝う淡い吐息と液。


そして震える体


黄瀬「ん……っは」


ぷつり、と口を離し口元についた血をなめとる。


貴方「は…、や、……そんな…」


首に手を当て、血をすくって橘に見せた。


黄瀬「こ、れ。
君の血液、俺らの生き血。わかる？」


ぐらり、と体が揺れた。


貴方「きせ、さ、ん」

黄瀬「君の血ね、



……誰よりも甘かったわ」


ぽたり、と液が床にたれた

07＊.°部屋→←05＊.°写真

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す