つまり私は、キセキという吸血鬼の生贄な訳で。【黒バス】

16＊.°いい香り ページ16

気が付くとベッ/ドの上に横たわっていた。
あまりそれ以前の記憶が残っていないようで、どうももやもやが溜まっていた。

貴方「なんですかねこれ……

噛み跡…」


なにかを察した橘は、それ以上深く考えない事にした。
窓の外に視線をやると、辺りは夕方と夜の間。暗い闇の中にオレンジ色の夕焼けが光って辺りを薄く照らしていたのだ。

ぐきゅるるるる。


それは橘のお腹から発した音。
決してあれやこれではない、と橘はアタマの中でぐるぐる張り巡らせていた。


貴方「…お腹、すいたな」

ふと立ち上がり、ドアノブに手を伸ばし、回す。引っ張る。

ふわりといい香りが部屋の中に入ってきた。


貴方「…ここから出たら怒られるかな…いや、でも仕方ないですよね」

左方面にある、大きな舞台階段を降りていくと開いたドアから香りが届いた。


貴方「いい香り…」

？？「誰だ」

貴方「わっ、あ！

す、すみませんっ…ちょっと、いい香りがして…それで…」

？？「俺は誰だ、と聞いているんだ。
そんな簡単な国語も分からないのか」

貴方「すみません…私は橘Aと申します。」

？？「なら橘。
これを手伝うのだよ」


…のだよ？

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