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you side
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「え、今なんて?」


『あれ、?川上さんで合ってます、よね?』


「そ、うだけど、、え?」






ほら、私が変なこと言っちゃったせいで
変な空気になっちゃってるよ。



ていうか私、こんなこと言うつもりじゃなかったのに…






「え、分かってたの?」


『・・分かってました。』


「前回からずっと知らないフリしてたの?」


『だって川上さん身バレとか面倒に思ってそうですし。
それならスルーした方が気楽でいいかなって思って。』






へえーって言いたげな顔で
こちらを見てくる川上さんに何を言えばいいか分からなくなる。



川上さん、たまに妙な間があるんだよな、、
毎度それに惑わされてる気がする。






『ほんとにいるんだって思いました。
入ってきた瞬間のオーラで少し怖気付いちゃいました。』


「なにそれ笑」


『音楽も聴かせてもらってますし、
強いて言えば憧れの存在なので緊張しちゃって。』






音楽は広く浅く聴く派で、
ほんとに色んなジャンルを好む。



でもそんな中でも生音を聴きたくなるアーティストは
片手に収まる程度。



その片手に入るくらい好きだから、
それを何とか伝えたくなってつい憧れなんて口走ってしまった。



川上さんはどう返してくるんだろう?

照れ臭くて逸らしていた目線をふと戻すと
その顔は何か考え事をしているようだった。



自分にとっては少し思いきった発言だったのに、
訳の分からない沈黙が起きていることに耐えられなくて
頬が熱くなる。






『ちょ、っと、なんか言ってください。』


「あ、ごめん。考え事しちゃった笑」






やっぱり考え事してたんだ。



何についてだろう?
もしかして、いつの間にかまた変なこと言っちゃってたり、、?






『もう、私今結構恥ずかしいこと言ったのに。』


「いや、嬉しいこと言ってくれるなぁって。」


『ていうか、何の考え事してたんですか?』


「うーん、内緒?笑」






どうしても気になったから聞いてみたのに、
考え事の中身は秘密にされてしまった。



さっきから川上さんのペースに乱されて、
翻弄されっぱなしなままどれくらい経ったのだろうって
時計を見てみるとちょうど閉店時間の五分前程だった。






『あー、そろそろ閉めないとです。』






私を弄んで楽しんでるとこ申し訳ないけど、
なんて思いながらお店を出ていく川上さんを見送った。







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まぬん(プロフ) - こちらこそありがとうございます!頑張ってください!! (2月13日 1時) (レス) id: e77305bd37 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます。お待たせしてしまい申し訳ないです。更新頑張ります! (1月10日 22時) (レス) id: 0868a1dc49 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - いつも楽しみに読んでます!!更新頑張ってください🙇‍♀️ (1月4日 3時) (レス) id: e77305bd37 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年8月22日 22時

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