vampire.20 ページ23
「…返しておいた方がいいよね」
そう呟いた。
いくらなんでも今日会った人に色々聞き出すのは申し訳ないし、大切なものならはぐらかされそうな気がする。
私はその小さな写真を閉じて、机の上にそっとおいた。
このとき、まだ気づかなかった。
その写真は彼の過去の鍵となることを。
「ふぁ…私も、寝ようかな……」
私はリビングに背を向け自室への道を歩む。…彼の視線にも気づかずに…
.
.
コノハside
「見られちゃった、かぁ」
僕は丁寧に置かれた小さな写真を拾って中を開いた。僕が唯一持っているあの子との写真。もう会えなくなってしまった存在。
苦笑いをしながら僕はそれを大事にポケットにしまった。まさか落としちゃうなんて気が抜けてるな、僕…
「…大丈夫だよ、僕は。昔みたいに落ちこぼれじゃない」
独り言のように呟いた。それが誰かに問いかけているのか自分自身に問いかけているのかは自分でもよく分からない。
過去の罪は二度とやり直せない。後悔なら幾らでもして胸に降り積もったままだ。やり直せないことを知っていたのに。
僕はとある少女の名を自分でも驚くほどの弱々しい声音で呟いた。
「―――貴音…」
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Noah(プロフ) - 24時間の遊びやさん» ありがとうございます。そう言って頂けて嬉しいです( 〃▽〃) (2013年12月11日 6時) (携帯から) (レス) id: d37f8ae8d8 (このIDを非表示/違反報告)
24時間の遊びや - この小説おもしろいですね。(^^) (2013年12月11日 4時) (レス) id: cf29fcee1e (このIDを非表示/違反報告)
Noah(プロフ) - しづさん» 応援ありがとうございます^^頑張ります! (2013年12月6日 16時) (携帯から) (レス) id: d37f8ae8d8 (このIDを非表示/違反報告)
しづ - 頑張れ! (2013年12月6日 8時) (レス) id: d0a321c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
*Noah*(プロフ) - ソフィアさん» 東京流通センターという場所でやります^^ (2013年11月16日 23時) (携帯から) (レス) id: d37f8ae8d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Noah x他1人 | 作成日時:2013年11月2日 22時