【クロハ】お前の血、吸わせろよ…【コノハ】

vampire.18 ページ21

「はーっ…温まったぁ…」



お風呂上がりでホカホカとした私はリビングへ行き、クロハに声をかけることにした。


クロハはしっかり者そうだしこういうときは休んでもらいたいなぁ




――ｶﾞﾁｬ



「クロハ、次どうぞ」



「…あぁ、今いく」




すこし寝落ちしそうだったのか、かくかくと頭が揺れていた。


だけどそれも束の間、私の声に意識がはっきりしたらしい。

艶やかな黒髪を無造作にかきながら着替えを持ってお風呂へと向かっていく



「ふふっ、クロハは夜に弱いんだね」


「んー…弱いわけじゃないんだけど、最近忙しかったからね」




苦笑いで言うコノハの表情が先程より何故か大人びて見えた。



"忙しい"



それがどんな意味なのかは分からなかった。




「コノハも適度に休むんだよ？無理は禁物です」

自分に注意の矛先が向くとは思いもよらなかったようで、コノハは目をパチクリさせていた。



「…うん、ありがとう。やっぱり君は不思議な子だな…」


「へ…？」



「クロハ以外に心配されるなんて、何年ぶりだろ…」



薄い紅色をした綺麗な瞳はいつしか遠くを見ているように思えた。


過去になにかあったのだろうか。


…どちらにせよ、今は触れない方がいい気がする…。

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