【クロハ】お前の血、吸わせろよ…【コノハ】

vampire.09 ページ11

玄関を通りすぎ外へ出ると


寒い温度が私たちを包むように迎えた


「…っさむ…」


「はい、上着！」



意外と準備がいいコノハが上着を掛けてくれる



「ありがとう」


「…んじゃ、しっかり捕まっとけ」



私をお姫様だっこしていたクロハが


掴めと言うように首を差し出してきた



恥ずかしくない、っていえば嘘になるけど



怖かったから素直に掴まっておいた



「…よし、コノハ」


「うん」



二人はアイコンタクトをした後に頷き―



―なんと









「きゃあぁぁぁっ！？」

…飛んだのだ


どんどん小さくなる住宅街を呆然と見ながら


必死にクロハにしがみつく


隣を見れば何事もなかったかのように


コノハは飛んでいた



…星が何時もより、ちかい


それこそ人が豆粒のように見えて



上を見上げれば満天の星空が広がっていた




「…っ、ほんと、なんだ…」




人間じゃとてもじゃないけど無理な行動に



震えながらも言う




「だから言っただろ」



「…僕達の能力、怖い…？」




うつ向きながら言うコノハに



「すごいよ！素敵だね、こんな星空を近くで見られるなんて」



安堵したような二人の微笑みが見えて


私は何故かどこか嬉しかった

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