103話 ページ4
緑谷side
かっちゃんがあんなに傷付いていたなんて僕は知らなかった
昨夜 かっちゃんと喧嘩して僕は仲良くなれたようにさえも思っていた
ゴミを捨てに行って寮に帰ると月躬弖さんが一人で窓拭きをしていた
「あれ？かっちゃんは？」
高いところに手が届かないようでイスを使って窓を拭いている月躬弖さんに聞くとソファを指さして笑った
「疲れて寝ちゃったみたい」
寝ているかっちゃんの目元は赤くなっていてついさっきまで泣いていたことが窺える
月躬弖さんは長袖だったはずだけど今は半袖Tシャツで寒そうに見えた
… あぁ かっちゃんにかけてあげたのか
月躬弖さんは僕達に平等に優しい
「ねぇ月躬弖さん」
月躬弖さんが拭いている隣の窓を拭こうと雑巾を絞りながら話しかける
｢なに？｣と柔らかい口調で返してくれたけど視線は未だ汚れが落ちない窓を向いている
「僕 ワン･フォー･オールの後継者なんだ」
「そうなんだー…」
あれ驚いていない？まさか気付いていた？
月躬弖さんの予想外の反応に僕が驚いてしまう
それとも驚いているけど僕を不安にさせないように気を使ってくれているのか…？
「ワン･フォー･オールの後継者ね…
って！はぁぁぁぁぁぁあ！？！？！？」
「うわぁぁあ！びっくりした！大丈夫！？」
オウムのように僕の言葉を繰り返した月躬弖さんはその時やっと意味を理解したようで驚いている
驚きすぎてイスから落ちてしまった
月躬弖さんはパチクリと瞬きをして僕を見つめている
「え それ言ってよかったの？」
「多分よくない」
「えぇー… なんで言っちゃったのー…」
オールマイトの個性を受け継いだなんて事が多くの人に知られたら大変なことになってしまう
月躬弖さんはそれを心配してくれているのか頭に手を当てて｢まじかよ｣と言いたそうな顔をしている
「かっちゃんも小さい頃からオールマイトに憧れていたんだ
だから僕がこの個性を受け継いだと知って悔しかったんだと思う」
「… そうなんだ」
僕が月躬弖さんに事実を話した理由
それはかっちゃんが唯一弱さを見せることが出来る人だったからだ
かっちゃんは強い
強いから一人でも生きていけるように思える
月躬弖さんも同じだ
夏休み前の演習試験がなかったら僕達はずっと彼女の本当の気持ちを知ることは出来なかった
どうか月躬弖さんにだけでもかっちゃんには本当の気持ちを明かしてほしいんだ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 470人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三毛猫 - 轟くん相変わらずイケメン(^^)頑張ってください (2020年2月22日 13時) (
レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 大好きな作品です。更新これからも待っています。頑張って下さい！ (2020年2月22日 11時) (レス) id: c612da49fe (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - すごい、面白い。やばい。頑張って下さい。 (2020年2月22日 5時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 廃人さん» 聞いてみました！本当に似ていて驚きました笑 今後の展開と一部被ってたりもして…汗 (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 三毛猫さん» 重ね重ねありがとうございます！ (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月16日 21時
