104話 ページ5
緑谷side
それから月躬弖さんに全てを話した
僕が昔は無個性だったことも全部伝えた
呆れられるんじゃないかと思ったけれど月躬弖さんは最後までちゃんと僕の話を聞いてくれた
「月躬弖さんはすごいよ」
「え？」
「安心して何でも話してしまう」
話しながら窓を拭いていたら案外早く作業は済んだので暖かいお茶を飲みながら話していた
｢ウンウン｣と首を縦に振りながら話を聞いてくれる月躬弖さんに安心して言うつもりがなかった話まで口から出てきてしまう
「じゃあ私も緑谷くんに話してあげる」
「いいの？」
「これでお互いの弱み握れるね」
悪戯っ子のような笑みを浮かべて膝の上にかっちゃんの頭を置いてあげた月躬弖さんは天使のようにも見えた
「私の笑い方 両親の真似してるだけなの」
「え…」
「笑い方が分からなくって写真に写っていた両親の笑顔の真似をして同じように笑えるようになった」
その時 僕はすごく納得した
時々彼女の笑顔に違和感を抱いていたからだ
本当に今彼女は笑っているのだろうかと疑問に思う時がよくあった
「だけどね笑ってないわけじゃないんだよ
ちゃんと嬉しい感情はあるし楽しいから笑っていることに変わりはないの
敵に捕まった時も｢笑い方が変｣って言われた
自分でも自覚はあったんだけどあんな風に言われて傷付いたなぁ…」
かっちゃんの頭を優しく撫でながら懐かしそうに笑う月躬弖さん
相変わらずその笑顔は完璧だ
「でもね私自分の顔が好きなの
両親に似た顔で両親と同じ笑顔をするこの顔が一番好きなの
って… やっぱりおかしいよね」
笑っているけど月躬弖さんは悲しそう
確かに月躬弖さんはツキアカリとミカエラによく似ている
顔だけじゃなくて立ち振る舞いも話し方も根本的に存在から似ている
家族だから自然と似るものだと思っていたけれど実際は月躬弖さんが似せていたんだ
「おかしくなんかないよ
ご両親の真似でもいいと思う
僕だってオールマイトの真似してる
月躬弖さんは月躬弖さんだよ」
「… ありがとう緑谷くん」
両親の真似した笑顔だって月躬弖さんは月躬弖さんだ
他の誰でもない
そう伝えれば月躬弖さんは少しだけあどけないふにゃりとした笑顔を僕に向けた
「笑えてるよ！！」
「え？」
「今！ちゃんと笑ってたよ！！」
そう伝えれば自分の頬に手を当てて信じられないという顔をしている
けれど月躬弖さんはちゃんと笑っていた
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三毛猫 - 轟くん相変わらずイケメン(^^)頑張ってください (2020年2月22日 13時) (
レス) id: 717af831f6 (このIDを非表示/違反報告)
ユウ(プロフ) - 大好きな作品です。更新これからも待っています。頑張って下さい！ (2020年2月22日 11時) (レス) id: c612da49fe (このIDを非表示/違反報告)
蓮(プロフ) - すごい、面白い。やばい。頑張って下さい。 (2020年2月22日 5時) (レス) id: 199549db1c (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 廃人さん» 聞いてみました！本当に似ていて驚きました笑 今後の展開と一部被ってたりもして…汗 (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
ばぐ(プロフ) - 三毛猫さん» 重ね重ねありがとうございます！ (2020年2月21日 19時) (レス) id: 6634cf480d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ばぐ
| 作成日時：2020年2月16日 21時
