Raptor２【WT】

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弓場の攻撃は極めて特殊だ

射程と弾数を切り詰めて威力と弾速に特化している

他の銃手達とは対照的に近距離戦で真価を発揮するタイプ

基本的な銃手の戦い方である｢射程を使ってじっくり削る｣という戦法とはそもそもの考え方が異なる


瀬鳴の攻撃も極めて特殊である

狙撃手というのは基本的に無駄撃ちはしない

近接戦が圧倒的に脆い狙撃手にとって居場所をバラすような攻撃はほとんどメリットがない

リスクを負ってまでも弾を撃つからには確実に相手を連れていかなれければならない

これが狙撃手の真髄であり基礎でもある

しかし瀬鳴は違う とにかく弾数が多い

状況によっては銃手より弾数が多いこともある

それは瀬鳴が使用しているラプターの性能によるものであり彼女の特殊性にも繋がっている






｢弓場さんの早さをどうしたらいいのか分からなくて…｣

｢狙撃手と銃手ってなると不意を突くしかないかもね｣

｢ですよね〜 やっぱ隠密狙撃か｣






射程で有利を得ていても早さという圧倒的な武器の前ではリスクがあまりにも大きすぎる

そうなると弓場に気付かれる前にさっさと撃ってしまうのが得策

次々と変わる盤面でその状況を生み出せるか否か

そこから話は始まってくる

加えて弓場を落とすだけでなく狙撃手としての索敵や牽制など部隊のカバーもしなければならない

また瀬鳴はただでさえトリオン量の多さとサイドエフェクトから警戒されているため常にマークされている可能性が高い

そういった状況で瀬鳴が弓場を倒すというのはあまりにも無謀すぎるようにも思える






｢トリガー構成変えてみる？グラスホッパーで機動力上げたりアステロイドで奇襲するとか｣

｢…！それだ！それですよ！！｣






ガバッと起き上がった瀬鳴に少し驚きながらも辻は言葉を続けた

瀬鳴の基本的なトリガー構成はメインにスナイパーライフル

サブにバックワームとシールド

防衛任務や非常時以外はこの構成で常にランク戦に挑んでいるため正隊員の中で共通認識となっている


戦い方が安定している隊員はほとんど構成を変えない

時折変えることもあるがそういった際に狙う相手は確実に取れる点

つまり自分より弱い点を狙う

これもまた共通認識というか人間の性と言える

そこで弓場を狙うとは誰も思わないだろう

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