Raptor２【WT】

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地上でトリオン兵と対戦していた隊員たちは驚愕した

司令部と瀬鳴の共通連絡から聞こえてきた情報を頭では理解できたが受け入れることができなかったのだ


実際サイドエフェクトというものは理解不能である

サイドエフェクトを持っていない人間からするとサイドエフェクトを持っている彼らは超人と言っても過言ではない

ましてやその中でもAランク以上に規定されているサイドエフェクトは最早SF作品の世界に登場するようなものだ

超感覚・超技能なんて言葉では容易く形容できるが実際はそんな簡単なものでは無い






｢瀬鳴先輩のサイドエフェクトってあんなに遠くまで視ることができるんですね｣

｢どうやらそうらしいな｣

｢“らしい”って…嵐山さんも知らなかったんですか！｣

｢むしろ知ってる隊員の方が少ないと思うぞ｣






木虎と瀬鳴にはほとんど関わりがない

ポジションも違えば階級も違う

偶然手にしたサイドエフェクトと豊富なトリオンに頼っているだけで実力は大したことない

それが瀬鳴に対する木虎の評価だった

実際それが正解なのか間違いなのかは別として今この状況において最も盤面を支配しているのは瀬鳴ということは言うまでもない




司令部の指示によって三輪と米屋が人型近界民と戦っているおかげでトリオン兵は送られてこなくなった

そのため狙撃も再開し地上にも追加の応援隊員が来たため更に激しい攻撃が始まった

数名の狙撃手を配属し火力を増した地上では各部隊が合流を進めている

そこには勿論二宮隊の姿もあり瀬鳴の合流を待っているかのように見えた





｢犬飼先輩｣

｢どうしたの木虎ちゃん｣

｢瀬鳴先輩はまだ降りてこないんですか？｣

｢あーね 瀬鳴ちゃんは来ないよ｣






犬飼は何を考えているのか分からない笑みを浮かべる

辻は笹森と共に最前線に向かって行ったが二宮と犬飼は比較的基地の近くで攻撃を送り出している

戦闘力の高い2人なら辻と共に最前線に向かうべきだろうし今までならそうしていたはず

そんな疑問を抱く木虎を察した犬飼は答えた






｢瀬鳴ちゃんは屋外戦の殿だから降りてこないよ｣

｢え…？｣

｢ちなみに俺らはその瀬鳴ちゃんをカバーするのが役割｣






昨日まで いや5分前までなら理解できなかったであろう発言

けれども先程の瀬鳴のサイドエフェクトを知ってしまったら納得せざるを得なかった

現にこの盤面を支配しているのは瀬鳴なのだから

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