Raptor【WT】

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東の声で訓練開始が告げられた

雨取は転送された場所から一番近くにあるビルにすぐさま駆け込んだ

彼女が手にしているのはイーグレット

万能型で多くの狙撃手が使用している標準モデル

先程使用したラプターとは性質も性能も正反対


良さそうな狙撃ポイントからスコープを覗く

20m先の屋上に一人の姿を見つけた

まだ相手は気付いていない

先手を打とうと照準を定めているとスコープ越しに相手と目が合ってしまった


風に揺れる黒髪と太陽を反射する蒼眼

まずいと思った時は既に遅く相手はこちらに銃口を向けている

ポンッと音がして自分の右肩を見ると112と記された赤丸マークがついていた

撃ち返そうと再びスコープを覗いたが彼女はもうそこから姿を消してしまった





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訓練を終えてブースから出ると各隊員が結果を見て様々な反応をしている

友達の夏目出穂と話していると目の前を彼女が通り過ぎて行った




｢おっ 瀬鳴また1位じゃねえか｣

｢当真先輩どこにいました？
全然見つけられなかったんですけど！｣

｢俺は適当な場所で寝てたぜ？｣

｢寝てたんですか！？｣




当真と話している彼女の追跡番号は112

やはり屋上で見つけたのは瀬鳴だったようだ

それを確認した雨取は納得の表情を浮かべた


あんなに扱いにくいラプターを使いこなすだなんて相当腕のいい狙撃手なのだろう

玉狛の先輩である迅や小南そして師匠の木崎も彼女のことをよく褒めていた

当初は別支部の部隊長を任される予定だったという噂を耳にしたことがあるがそれも納得だ

思っていたより話しやすかったしいい人そうだ




｢あの先輩が1位だってスーツなのに凄っ…｣

｢トリオン体だから服装関係ないと思うよ｣

｢そっか！｣




夏目の言葉に思わず笑いながらモニターを見た

結果が順位順にずらりと並んでいる

個人名は出ていないものの追跡番号が表示されているため誰が何位か何となく察することができる

どうやら1位は同率だったようでもう1人同点の人がいるようだ

246の追跡番号の持ち主を探すと奈良坂だと判明した

三輪隊の狙撃手でチームメイトの空閑がボーダーに所属する前に対戦していたことがある


瀬鳴も奈良坂も1位という結果に当然だと言わんばかりの表情を浮かべている

ボーダーには凄い人がたくさんいるのだと実感すると同時に自分も鍛錬しなければならないと思った

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