君のため４【ワールドトリガー】

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妃旗side





寺島さんがエンジニアに転向した

噂によると私が原因らしい

実際本人から理由を聞いていないから確定はできないけどまあそうなのだろう


封を開けたスナック菓子の袋に手を突っ込んだ

手に取った菓子を口に投げ込みながらこの前のランク戦のデータを確認した

先日新たに導入された隠密トリガー(カメレオン)

風間さん率いる風間隊は上手いことそれを利用し部隊結成早々A級に昇格した




｢厄介だなコレ｣

｢レーダー反応はするの？｣

｢するらしいよ 姿が消えるだけみたい｣

｢ほえ〜 便利なのか不便なのか｣




優雅と共に風間隊の記録(ログ)を見漁った

知らない名前ばかりが連なるメンバー編成

特に菊地原は聞いたことがない

歌川は入隊式でいい結果を残していたから名前は把握していた




｢サイドエフェクト持ちだって｣

｢…聴覚強化｣




それを聞いてやけに納得した

サイドエフェクトと聞くと華々しいものを想像するだろう

例えば迅さんみたいに未来が視えるとか

天羽みたいに言葉じゃ表せないようなものとか

だけど実際サイドエフェクトを持っていたとしても華々しいものは一握りでしかない


現に彼方さんもその一人だ

強化嗅覚といって尋常じゃないほど鼻が利く

サイドエフェクトを持っていてもそれを有効利用するのは極めて難しい




｢風間さんやっぱり凄いなぁ｣

｢なんで？｣

｢強化聴覚とか隠密トリガー(カメレオン)と相性良すぎ
きっとステルス部隊として名乗り出るつもりなんだろうな｣




今期A級に昇格した風間隊と戦えるのは来期のランク戦だ

それまでに私達も強くなっていないとあっという間に順位を越されてしまうだろう

この前 慶くんの部隊に越されたばかりだから2度目は御免だ


慶くんはやはり出水を気に入ったようですぐに自部隊に入れた

それが上手いこといってしまってこの前のランク戦で私たちは負けてしまった

A級2位から3位にランクダウンだ

あれは私も優雅も結構悔しかった




｢A 10本勝負しよう｣

｢いいよ 負けた方が一発ギャグね｣

｢…お前負けたらちゃんとやれよ｣




ジト目で見つめてくる優雅の言葉に頷いた

負ける気なんてさらさらない

私たちの会話を聞いていたようでマイさんがすぐに練習室に転送してくれた

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