君のため４【ワールドトリガー】

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妃旗side





彼方さんとは無事仲直り(？)した

あの後4人で夕飯を食べに行って家でゲーム大会をした

そのせいで今日の授業は眠くて堪らなかった


現に今も眠気が襲ってきている

ラウンジのテーブルに教科書や参考書を広げて課題を進めながら私はある人を待っていた

いつもなら来るはずの時間帯なのにまだやってこない

学校が違うから正確な時間割は分からない

もしかしたら委員会があるのかもしれない


グッと背伸びをしてシャーペンを握り直すとノートの上に影が差した

やっと来たと思って顔を上げるとそこにいたのは予想していた人ではなくて少し驚いてしまった




｢鳩原さん…？｣

｢こ、こんにちは…犬飼くんから連絡行ってると思うんだけど……見てないかな？｣

｢え…あっ……ごめんなさい今見ます｣




困ったように笑いながら頬をかく鳩原さんに向かいの席に座るように促す

スクールバッグからスマホを取り出して確認すると確かに犬飼さんからメールが来ていた


私は半年ほど前 二宮さんに両攻撃(フルアタック)を教えるかわりに勉強を教えてもらうという約束をした

何故か教える担当は犬飼さんになっていたようで今までずっと彼が教えてくれていた

今日は鳩原さんが教えてくれるらしい

私と同じ制服を着た鳩原さんは進学校ではなく普通校に通っている

犬飼さんよりは勉強は得意ではないようだが勉強苦手な私に教えるには十分な存在だろう




｢私が来ることになってごめんね
……犬飼くん今日は家の用事で本部にも来れないみたいで｣

｢いえ 十分ありがたいです｣

｢…それならよかった｣




引っ込み思案なのか自信がないのか

年下の私に気遣う発言ばかりの鳩原さん

あの二宮隊に属している人とは思えない


私は気を入れ換えて視線をノートに戻した

だけど発展問題に躓いてしまって一向に手が進まない

｢うーん｣と唸り声を上げていると色白の細い指が伸びてきた




｢ここの計算間違えてるよ｣

｢あ…ほんとだ｣

｢あとここは判別式使うと解きやすいよ｣




鳩原さんはスラスラと判別式の公式を私のノートに書き込んだ

癖のない読みやすい字だ

それに逆から書いているのにしっかり文字になっている


｢ありがとうございます｣とお礼を言うと鳩原さんは少し照れたように笑った

今まで関わったことの無いタイプの人でどう接したらいいか分からなくて少し困惑した

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