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「そいつが死んでる間何してたかは知りませんが…」
グイーンと伸びをしながら、恵はいつもの調子で言った。
「東京校と京都校、全員呪力なしで戦い合ったら、虎杖が勝ちます」
「「「『おー!』」」」
見事にシンクロする二年生組。
さらっとそういった恵によって、Aは悠仁にかなりの信頼を抱いた。
だってあの東堂と戦ってる彼がそういうのだ。相当なものだ、きっと。
『…それよりさ、死んでる間とかいうパワーワード気付いてる??』
「それ俺も思った。人生であと何回聞くかな」
「お前ら…真面目に作戦立てんぞ…!」
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そんな和やかな雰囲気が漂っている東京校とは一転、京都校の雰囲気は重苦しかった。
「宿儺の器…虎杖悠仁は殺せ。あれは人ではない」
理由は簡単、相当重い話をしているから。もしかしたら今から一人の命が奪われるかもしれない、かなり重い。
「故に全て不問、事故として処理する。遠慮も躊躇もいらんぞ」
「(嫌だなあ…)」
「殺すも何も。彼、死なないからここにいるんですよね?」
「先の虎杖の死は自死だと聞いておる。敵対術師にトドメを刺すとき、気をつけねばならんことは?加茂」
「はい。死後、呪いに転ずることを防ぐために呪力で殺します」
「そうだ。他者の呪力でしっかりトドメを刺せばなんの問題も無い。現在、肉体の主導権は虎杖悠仁にある。宿儺が出てこなければただの一回生だ。くびるのは…」
衝撃音。
東堂が障子を蹴り飛ばしたのだ。
「くだらん、勝手にやってろ」
「戻れ東堂。学長の話の途中だ」
「11時から散歩番組に高田ちゃんがゲスト出演する。これ以上説明いるか?」
いらない。生放送で見たい、ということだろう。
「録画すればいい。戻れ」
「リアタイと録画両方見んだよ!舐めてんのか?」
…そこかよ。
あくまで真剣な口調で、東堂は続ける。女の趣味の悪いお前らにはとうの昔に失望してる、と。
「謀略、策略、勝手にやれよ。ただし!次俺に指図してみろ…殺すぞ」
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れもん - 好きです!(ゑ)更新待ってます!! (2021年4月23日 18時) (レス) id: 46613accf8 (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - もち米の化身さん» すごく嬉しいですありがとうございます> <!飽きてなかったですか、よかったです笑 (2021年3月22日 23時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
もち米の化身 - 面白いですね!あと、飽きませんよ! (2021年3月21日 23時) (レス) id: 356bd7e73b (このIDを非表示/違反報告)
なんなん(プロフ) - ムスメ3さん» 世界がガッツリ!ってわけではないです!呪文、出身校、家柄、両親の仕事ぐらいですかね。わかりづらかったらごめんなさい泣 (2021年2月14日 21時) (レス) id: c1887ad742 (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 初めましてこんばんはもしかしてハリ〇タの要素あり的な感じですか? (2021年2月14日 21時) (レス) id: 43c62374c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なんなん | 作成日時:2021年2月6日 23時