2歩目 ページ4
と、そこでまたチャイムが鳴った。やっと来たか。お妃様のおでましだ。
父が立ち上がり玄関を開ける。王子様とAも同じく玄関に向かう。
「ごめんなさい！遅くなってしまって！」
薄茶色の髪は横しばりでゆるくウエーブがかかっている。ぱっちりの二重に綺麗な肌。落ち着くワインレッドの服に身を包んだ女性は深く頭を下げた。
え、嘘だこの人絶対42歳じゃないよ多く見積もって30代だよ！！とAが心の中で突っ込みを入れたほど、年齢よりも若い見た目をしている人だった。
「いやいや、いいんだよ優香里さん。さ、上がってくれ」
にこやかに迎える父と笑顔の王子様。対象にAはまたもや岩になっていた。
「君がAくん？」
固まっているAにそっと問いかける女性＿＿＿＿＿＿＿＿もとい、優香里。
「あ……はい。はじめまして」
小さく頭を下げると優香里は綺麗な微笑みを浮かべた。
「智仁(ﾄﾓﾋﾄ)さんからたくさん話を聞いているの。これから、よろしくね」
ああ、この人は。
「はい。こちらこそよろしくお願いします。父を、幸せにしてください」
この人は、大丈夫だ。
Aは優香里に深く頭を下げた。本当は、父が認めた人ならどんな人でも我慢して受け入れるつもりだったのだが、我慢する必要はないらしい。
「まぁ………。さすが智仁さんの子ね」
微笑んだ優香里は荷物を置いてリビングに座る。この人なら、父と幸せになってくれるだろう。キッチンから見える、お互いを見つめる瞳がそれを物語っている。お茶を出すのは、もう少し後でもいいかもしれない。
この人が母になるなら悪くない。問題は息子の方だ。どうして義弟が学校一のハイスペックパーフェクトイケメンなんだ。
考えていると視線を感じた。隣を見ると何故か、何故だか全くもって分からないが、王子様がAを見ていた。あのキラッキラした笑顔で。
「な、何でここに………！」
「あの空間にいるのは居たたまれなくて、逃げてきました」
あ、ああ。その気持ちなら分からなくもない。が、Aとしては警戒しているので是非あの空間にいてほしかった。
「と言うのは半分嘘です。ちょっと先輩と話したくて」
「え？」
ん？ちょっと待とう。このイケメン今何て言った？
混乱する頭の整理が追い付かない。しかし王子様は変わらず微笑みを浮かべている。
「先輩、俺のこと警戒してるでしょ？だから距離を詰めようと思って」
王子様はそう言って、綺麗な蒼い瞳でAを見つめた。
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埋夜冬(プロフ) - 名無しさん» 読んでいただきありがとうございます！ありますよー！蒼くんの方が高いです！そうですねぇ、大体10センチくらい差があると思っていただければ！ (2022年3月19日 7時) (
レス) id: 19b82d3da7 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 身長差とかってあるんですかね (2022年3月19日 3時) (レス) id: 39136fade0 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - お伺いしたいことがあるんですが (2022年3月19日 3時) (レス) id: 39136fade0 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 古紗雪さん» 待っててくださりありがとうございます！更新頑張りますね！もうガン見しててください(笑) (2019年2月28日 22時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 龍晴さん» そろそろ続編にいきますよ！そこで完結です！夢主くんと蒼くんはどうなるのか！？麗は成敗出来るのか！？モモの正体は！？乞うご期待ですよ！ (2019年2月28日 22時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2018年12月28日 1時
