信じない理由 16 ページ17
髪を直すと男とは思えないほど美人な人に言われて、てっきり寝癖でも付いてたのかな、なんて思っていた。
まさか伸びるだなんて誰も思わないじゃん!!
髪が引っ張られている感覚なんてなかったのに、いつの間にかかわいいお団子ヘアが完成していた。
ルークと呼ばれた男の人がしきりに褒めてくれるのは嬉しいけども、元はウィッグだったから自分の髪が女の子みたいに伸びるだなんて思ってなかった。どうして伸ばしたりなんか?
「もう髪を切ったりしないでよ。せっかく綺麗な髪なんだから」
『Aの髪、私は好きだな。せっかく綺麗な髪に生まれたのに、嫌いなんて言っちゃダメだよ』
お姉ちゃんが言っていた言葉だ。
ボクはくせっ毛で小学生のころバカにされていた。この髪は母親ゆずりらしくて、お姉ちゃんは羨ましいと言っていたけどボクは好きになれなかった。そんな言葉を零した時にお姉ちゃんがあの言葉を言ったのだ。
いつもの優しい笑顔のはずなのに、どこか悲しそうに笑ったお姉ちゃんの顔は、今でも忘れてない。だからボクは、お姉ちゃんが好きなこの髪を好きになろうと決めたのだ。
お姉ちゃんが好きだと言った髪、皆も、好きになってくれたんだ。
リドルさんにもヴィルさんにも綺麗だと言われた。それが、何だか嬉しく思って。
「あ、あの······ありがとう、ございます」
ふんわりとはにかんだ。
ちゃんと笑ったの、ここに来て初めてかも。
「トレビアン!今のこの瞬間を持ちうる限りの語彙で称えたいところだがもうすぐ授業が始まってしまう。さあ
「······え、あっ、はい!監督生、こっちだ」
「は、はい!」
スタスタ歩き出してしまったリドルさんを追いかけて、ヴィルさんとルークさんにぺこりとお辞儀をした。
「まあ新ジャガにしてなかなかの顔立ちね。頑張ってらっしゃい」
「
······マドモアゼル?マドモアゼルって確か、女の人に使うのでは?
そう言えば、クルーウェルさんもgirlと言っていた気が······?
もしかしてボク、女の子だと思われてる?
「あの、」
「済まない監督生、ルーク先輩が言った方に本当に時間が無い。質問はお昼に」
リドルさんの足が止まった。
「ここがクラスだ」
684人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます!続編でやらせていただきますね!お待ちください! (2022年1月30日 11時) (レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 夢主のイラストを見て可愛い!と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは!コメントありがとうございます!私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました!11日以降にまた覗いてみてください!きっとイラストが載ってますよ! (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです!!ありがとうございます!!続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします!!! (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:埋夜 冬 | 作成日時:2021年11月21日 23時