信じない理由 17 ページ18
扉を開けると、騒がしかった教室が一気に静まり返った。
｢っ！｣
皆がこっちを見てる。視線がボクに集中している。優しい目じゃない。訝しんでいるような、とにかく奇異の目だ。歓迎されていない。当たり前か。だって、おそらく初めての出会いはボクの女装した姿だろうから。女装するクラスメイトなんて歓迎されるわけない。
じわ、と目に涙が浮かぶ。
｢オマエら！何子分を睨んでるんだゾ！！泣かせたら許さねーからな！｣
グリムがボクを守るように前に出てふなふな威嚇する。
｢あー！あの時火ぃ吹いたタヌキじゃん！お前だってソイツのこと泣かせたのオレ見てたからな！｣
大きな声を上げたのは左目にハートマークが描かれている男の子だ。クラスに1人はいるような元気でお調子者そうなタイプなのが見てわかった。
｢ふなっ！？そ、それは子分を守るためだったんだゾ！つーかタヌキじゃねーんだゾ！！！｣
ガミガミ言い合ってる2人に、クラスの皆も｢そーだ！｣｢いけエース！｣なんて盛り上がっている。さすが男子校。
｢はいはい、喧嘩はそこまでだよ〜｣
ケイトさんが皆を宥めて、リドルさんの方を見た。
｢リドル君、丁度いいよ。エースちゃんと、後誰か一人くらい一緒にいれば授業とかも大丈夫なんじゃない？｣
リドルさんも｢そうだね｣と頷いて周りを見た。
｢······デュース・スペード。目が合った瞬間に逸らすとはいい度胸だね。エースとデュース、監督生の事を頼んだよ｣
｢えー！オレ良いって言ってないんですけどー！｣
｢ぼ、僕が！？｣
もう1人と呼ばれたデュースさんは右目にスペードのマークがある人だ。またもやクラスメイトがはやしたてている。
｢ステイ、仔犬共！｣
ピシッと鞭を鳴らしてクラスへ入ってきたのはクルーウェルさんだ。そういえば先生だと言っていたっけ。
｢ローズハート、クローバー、ダイヤモンド、仔犬の案内感謝する。お前たちもそろそろ授業だろう。戻っていいぞ｣
｢はい。じゃあ監督生、またお昼に｣
｢あ、ありがとうございました｣
リドルさん達にお礼を言ってから、あっと気付く。
また味方のいない場所に1人なのでは······？
リドルさん達はまだ信頼できないけど良い人たちなのはわかる。だが困ったことにこのクラスには知らない人と大人しかいない。グリムだけが唯一の救いだ。
どうしよう。めちゃくちゃ逃げたい。逃げても捕まるだろうけど。
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埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます！続編でやらせていただきますね！お待ちください！ (2022年1月30日 11時) (
レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
茜 - 夢主のイラストを見て可愛い！と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは！コメントありがとうございます！私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました！11日以降にまた覗いてみてください！きっとイラストが載ってますよ！ (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです！！ありがとうございます！！続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします！！！ (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜 冬
| 作成日時：2021年11月21日 23時
