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信じない理由 12 ページ13

怖い。寝れない。暗い。お姉ちゃん。

呼んだって来てくれないのは初日の夜で分かっていたけど、何度も呼んでしまう。

ちゃんと掃除したし、ある程度過ごせるように綺麗になった。ガスは不安だったけど、爆発するような事もなく使えている。お姉ちゃん為に上手くなった料理はグリムに大好評で沢山食べてくれるので嬉しいけど、3日目にして1週間分の食料が底をつきそうだ。買い物はお金が無いので行けない。

この家ーーーオンボロ寮は明かりが少ないので夜は真っ暗になる。グリムが隣で寝てくれるのは多少安心できるところだ。それでもいつでも味方してくれるお姉ちゃんがいない現実がより一層現実味を増すのが夜で、怖くて不安でグリムを起こさないように泣いている。

「グリム、どうかな······?変じゃない?」

「おう!大丈夫なんだゾ」

今日は学園へ行く初日だ。ウィッグも取ってメイクも落として、いつものボクに戻っている。もちろん制服はズボンだ。大きくて、手が少し隠れてしまうけど。
色素の薄い茶髪くせっ毛を少し整えてくすんだ鏡の前で「よし」と気合を入れる。

「大丈夫、私がいるから怖いことは起こらないよ」

小さな声でお姉ちゃんがいつも言ってくれた魔法の言葉を繰り返す。お姉ちゃんはボクの唯一の家族。ボクはお姉ちゃんの言うことは正しいって、知ってるから。怖いことは、起こらない。

「監督生、いるかい?」

コンコンとノックされる。小さな音でも大きく響くので怖くて仕方ない。

「ひっ!?······あ、えっと、います」

「良かった。少し早いが迎えに来た。準備が出来ているようだったら行こうか」

「は、はい!グリム、行こう」

「楽しみなんだゾ!」

この声は多分、助けてくれた赤い髪の子だ。名前は確か······リドルくん?

学園長が大量に持ってきた袋の中に教材が揃っていた。何が必要か分からないから、重いけど袋ごと持っていこうと思う。

「おっ、お待たせしました」

キィと古い音を立てて扉を開く。外にはリドルくんと、グリムが火を吹いた時にボクを助けてくれた緑の髪色をしたメガネのお兄さんと、オレンジの髪色をしたお兄さんがいた。

「待ってい、た、よ······」

3人とも何故か、ボクを見て息を飲んだ。

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埋夜冬(プロフ) - 茜さん» 読んでいただきありがとうございます!続編でやらせていただきますね!お待ちください! (2022年1月30日 11時) (レス) id: 71445b0c29 (このIDを非表示/違反報告)
- 夢主のイラストを見て可愛い!と叫びそうになりました。リクエストでハーツラビュルにお茶会に呼ばれたらというのをお願いします (2022年1月30日 11時) (レス) @page40 id: 6b60f4e764 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - ユノンさん» こんにちは!コメントありがとうございます!私自身イラストが描けないので、絵心のある友人に頼んでみました!11日以降にまた覗いてみてください!きっとイラストが載ってますよ! (2022年1月6日 17時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 夢主人公のイラストが見てみたいです (2022年1月6日 12時) (レス) @page3 id: 53f56e15b5 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 星猫さん» 嬉しいです!!ありがとうございます!!続編までいくと思いますので、どうぞよろしくお願いします!!! (2021年12月30日 14時) (レス) id: 5c8498129f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜 冬 | 作成日時:2021年11月21日 23時

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