第38話 ページ40
あれからまた何ヶ月も過ぎた。相変わらず咲夜は専業主夫みたいに家事を完璧にこなして、バンドの練習にも行く。変わったことといえば、バンド行ってくるよと報告するようになったことくらいだ。
Aも変わらず課長に小言を言われ定期を無くし何も無いところで転んでUSBを壊したりしている。不幸体質なのは変わらなさそうだ。
だが、Aが知らないところで『毎日すごく豪華なお弁当らしい』『よく笑うようになった気がする』『この前背の高いイケメンと仲が良さそうなところを見た』等々、噂が持ち上がっている。Aが知ったら恥ずかしさで顔を赤くすることだろう。
｢バンドのメンバーに会わない？｣
｢えっ、バンドの人に！？｣
そんなある日の休日。朝から咲夜の特製エッグベネディクトを食べてから咲夜が言った。
バンドってあのinefficiencyか。顔を見せないバンドの。え、いいんですか！？
｢まぁ本当はダメなんだろうけどさ、俺の事前から気に掛けてくれてるメンバーが会いたいって言ってるから、Aさえ良ければなんだけど｣
｢も、もちろん会いたい！｣
ということで、その日のうちに会うことになった。着替えて小洒落たカフェへ行く。咲夜はグレーのマスクをしてきた。inefficiencyのメンバーとプライベートで会う時も顔を隠している、と咲夜が言ったからだ。容姿や年齢に関係なく本当にただ"自分"という1人を見つめてもらえるようにね、と。
奥の静かな席で待っていると、｢Saki｣と声が聞こえた。バンドのときの咲夜の名前だ。
軽く手を挙げているのは恐らくバンドのドラム担当、シロと呼ばれる人だ。
左側だけバックにしている黒髪に相対するように白いチョーカーが首元にある。それも似合ってしまうのは彼自身良いファッションセンスをしているからだ。
シロは顔を隠さずにこちらに来た。咲夜には劣るが、彼もかっこいい。
｢その子が例の子？｣
｢そうだよ｣
咲夜が頷くとシロは｢なるほど｣とAを見た。
｢そうか、男の子だったんだな｣
その言葉を聞いて胸が痛んだ。
あまりにも幸せで、咲夜といることが自然で忘れていた。世間的には、同性で付き合うには大きなリスクがあるのだ。
一気に色々な不安が押し寄せる。シロは次になんて言うのだろうか。怖い。
｢あっ、ごめんな？別に悪いって言ってるわけじゃないんだ。驚いただけ｣
シロは慌てて謝り席に座った。
どんな話をするのだろうか･･･。
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*-七海-*@めぐ民 - う〜ん…泣ける！もう、今我情緒不安定だからww涙めっちゃ出るんやけどww (2020年8月25日 21時) (
レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» なりましょう！(2人は我らが見てるって事を知らないのだな…) (2020年8月11日 23時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» よし！2人で木になりましょう！！！ (2020年8月9日 22時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
*-七海-*@めぐ民 - 埋夜冬さん» wwwじゃあ、我はその木の枝役に立候補します！！ww (2020年8月9日 22時) (レス) id: cc0b3d41a2 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - *-七海-*@めぐ民さん» でしょう！？私はめちゃくちゃイケメンな相手にやってるのを見る木の葉役に立候補します！！！ (2020年8月9日 13時) (レス) id: f9a8d8c7d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2020年6月28日 22時
