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39冊目 ページ42

翌日。湊の看病と質の良い睡眠のおかげで微熱まで下がった。本人曰く怠さはないらしいがまだ不安だ。寝ていてほしいところだが、お風呂に入りたいと言うので仕方ない。

「俺が洗ってくるから寝てて。悪化したら困る」

基本無気力で作品を書く以外に何も出来ない湊だが、大切な専属編集者であり同居人のことになるなら話は別だ。普段しない肉体労働を頑張らなければと思う。

「で、ですが一昨日も昨日も迷惑掛けたので今日は……」

「悪化したらまた倒れるかもしれないでしょ。そっちの方が迷惑だから」

Aは頼るより頼られることの方が多そうだ。逆に言えば、頼ることをあまりしてこなかった。湊に頼ることを遠慮している。
Aはしゅん……となった。

「そうですよね…。湊先生にこれ以上俺のせいで迷惑掛けれませんし……」

ん?何だか自分の言葉の意図が別の意味で伝わってる気がする。湊はほんの少し照れながら後髪を掻いた。

「心配してんの、Aのこと。またあんなになったらAも辛いでしょ。だから休んでて」

その言葉が、どれだけ嬉しかったことか。
湊からしたら何でもない言葉だろうが、惚れているAからしたら自分を気に掛け心配してくれるだなんて嬉しさで胸がいっぱいだ。さらに言えば普段無気力な湊が自分のためにここまで頑張ろうとしてくれている。最早これが夢なのではと思うくらい幸せだ。

「ありがとうございます」

なのでAは素直に従ってソファーに横になる。ニヤニヤしてしまう頬がバレなければいいな。

湊はお風呂掃除をして湯をためる。そういえば、この前聞いてしまった『……側にいるだけで幸せだって、思わないと』という言葉はどういう意味なのかまだ聞けていない。壁を感じるようになったのもここからだったように感じる。

リビングに戻った湊はソファーで横になっているAに聞くことにした。

「A、この前聞こえちゃったんだけどさ、『……側にいるだけで幸せだって、思わないと』ってどういう意味?」

するとAの瞳がみるみるうちに大きくなっていく。驚いたらしい。

「なッ、聞いて……!?……あ、えっと……ほ、ほら湊先生の作品であった台詞じゃないですか!何か心に刺さったな〜って思い出しまして!」

明らかに取り繕った感じだ。そうなってしまうくらい聞かれたくない言葉だったのか?

「お、俺、お風呂入ってきます!」

逃げるように去ってったAに湊は眉をひそめた。

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通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 有難うございます! (2019年8月17日 12時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 通りすがりの葉っぱさん» ない……ですね。設定してませんでした。私は妄想するとき夢主くんを「涼(りょう)」と呼んでます!自由に付けてくださって大丈夫ですよ!! (2019年8月17日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの葉っぱ(プロフ) - 主人公の名前って設定無しだと何になりますかね? (2019年8月16日 14時) (レス) id: a112452463 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - アリアさん» そ、そんな……!(照)ありがとうございます!ライバルというか引っ掻き回すというかーって感じなんですけど、その分キュンキュン度をあげていきたいと思います!お楽しみに!!☆ (2019年8月10日 0時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
アリア - えちょっと続編すっごい面白そう...いや、この作者を疑うのは止めよう。絶対面白いよ!凜音の小説も待ってます☆ (2019年8月9日 18時) (レス) id: 39676cde20 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:埋夜冬 | 作成日時:2019年4月23日 23時

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