兎17匹 ページ20
まずは彩兎を殴ったあの男から。アイツは彩兎の綺麗な顔を狙った。ならば同じように顔を狙ってやる。
地面を強く踏み、相手の顔を狙う。相手が構えた瞬間、相手の顔をおもいっきり殴り飛ばした。
「ぐあっ！？」
気持ち悪い声と共に相手は倒れた。ざまぁみろ。次だ。
「ほら、はよせな。挑発したのはそっちとよ？ぶっ潰したるからかかってきんしゃい」
久々の喧嘩で感情が高ぶっているらしい。かかってくる奴等を回し蹴りで仕留めながらAは喧嘩の喜びで笑っていた。
次は後ろから殴ろうとしているやつだ。
「気づかんと……思っといたかいな！！！」
スッとしゃがみそのまま下からみぞおちを決めた。相手が吐かなかったことだけは誉めてやろう。
あと3人。かかってきた奴の拳を、左手で軌道を変化させてAは鎖骨にかました。
ソイツがしゃがんで痛みに悶えている間に背中を使って飛ぶ。残りの片方の首に、華麗な回し蹴りを決めた。
「ハッ、雑魚どもが」
Aは吐き捨てるように言うと転がっていたパイプを手に取った。
倒した奴等にトドメをさすわけではない。
「おいこらテメェ。何逃げようとしとると？」
「ひっ！？」
足音を殺して逃げようとしていたリーダー格の男を、
「逃がすと思うとるとか！？」
捕まえるためのパイプだ。Aはパイプをブーメランのように投げリーダー格の男を転ばせた。
「お前が一番許せんばい」
パイプで転んだときに足を痛めたのか、恐怖かは分からないがリーダー格の男は起き上がらず地面を這って逃げようとする。Aはそれを冷ややかに見つめながら、一歩、また一歩と近づくていく。
そもそもコイツが喧嘩を吹っ掛けてこなければ彩兎は傷つかなくて良かったし、Aが彩兎との約束を破る必要もなかった。全ての元凶は、このクズだ。
「死ね」
地面を這っている腹を蹴り馬乗りになる。胸ぐらを掴み一発を顔にぶちこんだ。
こんな程度では足りない。武術などをやったことのない、綺麗な彩兎を傷つけようとしたのだ。罪は重い。
もう一発殴ろうとしたところで、パシッと手を止められる。
睨んで見上げると、手を止めたのは彩兎だった。
「何で止めると？」
「もう十分です。そんな奴放って行きましょう」
Aは彩兎の右腕に目をやる。服で隠れて見えないが、腫れていることは間違いないだろう。
「命拾いしたな」
低い声でそう告げてAはリーダー格の男から離れた。
「……きんしゃい。うちで手当てするばい」
Aは彩兎の左手をとり自宅へ向かった。
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埋夜冬(プロフ) - 。#vllさん» そうなんですか！？これの発案者は作者のお友達なんですけど、その子がどうしても兎を名前に入れたいって言ってました。ヤンデレ好きなので関係しているかもしれないですね！最後までお読みくださりありがとうございました！ (2019年10月25日 23時) (
レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
。#vll - 兎系の人はやんでれと聞いたことがあります、彩兎くんの名前と関係してそー。と勝手に考えていました。とても面白い作品でした。♪ヽ(´▽｀)/ (2019年10月25日 12時) (レス) id: 01ebef5845 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 紫園さん» どうもありがとうございます！二人とも尊く書けたのからよかったです！方言は私も書いてて楽しかったです！この作品を好きになっていただきありがとうございました！ (2019年5月1日 18時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
紫園(プロフ) - 最後までお疲れ様でした！本当に尊い2人です(´；ω；｀)方言とかも最高でした！ (2019年4月28日 16時) (レス) id: a3fbe17e50 (このIDを非表示/違反報告)
埋夜冬(プロフ) - 李守文さん» 嬉しい限りですありがとうございます！！！私も博多弁書いてて楽しかったです！そして同じように日常で使いました(笑) 今後も作品を出していきますのでどうぞよろしくお願いします！この作品を好きにいただいてありがとうございました♪ (2019年4月27日 22時) (レス) id: 59284e1a90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：埋夜冬
| 作成日時：2019年1月26日 16時
