妖界ナビ・ルナ～私は伝説の子～part５ (ページ40)

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第５.３９話　2つの木箱と巻物ページ40

いひ伝えたる御子あらはれ給はは
悠久の玉の力かぎりなし
そを得は我が妖しの力
いや増しに増さむ

聖玉のゆくへただ御子のみそ
知り給ふ
玉御許へ戻りなは

私の巻物はそこで破れていた。

そこで、タイ兄の残して行った巻物をあわせると、
破れ目がぴたりと合わさった。

これは元はひとつだった物を、二つに破いたようだった。

天の下いみしうない振るへし
いひ伝えたる御子
ふたりにてまします
闇を継きし御子五色の宝物のもとへ
みちひき給ひ
光もつ御子そを手にしまつり給はは
聖玉あらはるへし

光もつ御子闇を継く御子
ともに聖玉を手にしとき
いつれか魂の力まさりしものにより
天地のゆく末定まらむ

「『いひ伝えたる御子、ふたりにてまします』……これって、
伝説の子が二人居るって事……タイ兄はこれを見て、私達の事を知ったんだ」

私は呟くと、木箱を手にした。
思った通り私の木箱と同じように、ふたの裏側にも文字が書かれていた。

地をたけく蹴り
深奥なる知恵と高潔なる魂をもて
鬼神を役使し
冥府の果まて統へ治むへし

文字の最後の円の中には、獅子が描かれていた。
じっと見つめていた私は、はっとして、辺りを見回した。

「……スネリ、もっけ?」

ところが、返事がなかった。