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第5.31話 悠久の玉 〜願い〜 ページ32

スネリの視線の先を見て、息をのんだ。
銀色の狐が横たわっていたから。

私は苦笑して、その背中の毛並みに手をやった。
まだ温かいけれど、既に息絶えている事がわかる。


「私の身代わりになったんでしょう? そうだよね。
全部見えてた。全部聞こえてたから……意識がなくても……」


その途端、銀狐の姿の都和子先生の亡骸は、
すうっと消えていってしまった。

私は力無く立ちあがると、二人に言った。


「スネリ、もっけ。皆で妖界に帰ろう。タイ兄も一緒に」


二人がはっとして私を見上げる。

その私の目に力はなく、
闇を見ているように底知れない暗さがあった。


『お前が回復出来たのは、忌々しいこのペンダントのせいでもあるんだ。
この為に、俺の妖力がどれだけ吸い取られたか……借りは返してもらう』


タイ兄は立ち上がると、第3の目を持つ手を私の方へ差し出した。
悠久の玉は、タイ兄の周りを怪しくまわり続ける。


「何を……するの?」


私はゆっくりタイ兄に近付いて行く。
自分の意思と関わりなく、まつで磁石に吸い寄せられる金属のように。


「A、手の中の目を見ちゃ駄目だ!」


叫び声が聞こえた。
だけど、目を閉じることが出来ない。


『悠久の玉に触れてもらう』

「臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前」


タイ兄が言ったすぐ後に、九字を切って手から逃れた。


「悠久の玉なんて……もう、どうでも良い」

『どういう事だ。お前は悠久の玉を手に入れたいと願っていたはず』

「都和子先生も死んでしまった……
スネリともっけの命も危ない。もう、誰にも死んでほしくない」

『フッ、馬鹿が。たかが道具に』

「な、んて……?」

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作者名:フェイル | 作成日時:2010年12月8日 21時

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