【完結】7日経ったら忘れていいですか _3_【鬼滅の刃】

佰参拾 ページ38

『愈史郎…



明日で終わりだね』





｢明日の朝にはお前は居なくなるのか………




そうか、｣







『………………えへ、寂しい？』







｢あぁ、身体が冷えてたまらないくらいにはな｣





『結構重症だね』




｢誰のせいだ｣





『私かな』





……………なんだか今日の愈史郎ちょっと変






『………………………ねぇ愈史郎』




｢なんだ｣




『私、愈史郎のこと好きだよ



今日は最後なんだから嘘無しにしよう？』



幾ら経ってもこっちを見ない愈史郎の服を布団の中で掴む



｢………………………………っ



お前は全く……どこまで俺を可笑しくしたら気が済むんだ…………


お前のせいで頭の中がぐちゃぐちゃだ…っ


俺だってお前が好きに決まっているだろ！

ずっとそばに居たいくらいには好きだ…っ

どうしてお前は俺を忘れる……、



人のお前が死んで鬼の俺が置いていかれても良いから………

死ぬまでお前のそばに居させてくれよ…………っ




A…………っ｣






涙を流して私にしがみつく愈史郎




『…………………………うひひ』





｢…………………………笑い方が気持ち悪いぞ………｣




『私も同じ、死ぬまで愈史郎と居たいくらいには大好き！


ありがとう愈史郎




私ね、とーーーっても幸せだよ



愈史郎みたいな優しくて、私の事を好きでいてくれる人がそばにいてとっても幸せ』







｢……………俺も、珠世様とAと居られるのが幸せだ





…………………そうだな、もう十分なほどお前からは色んな感情を…幸せを貰った





今まで頑張った分、ゆっくり休め


お前が幸せなら、俺も幸せだ｣




愈史郎と顔を合わせて微笑み、目を瞑る








本当に、終わりなんだなぁ







本当に………最後なんだな









『………………………』







｢……………｣







私の涙に気付き、抱き寄せて頭をポンポンと撫でてくれる愈史郎






言葉は何も交わさなかった






ただ、私が眠りにつくまでずっとそばにいてくれた






それが何よりも楽で、心が落ち着いた







涙も流しきって、落ち着いて寝れたからか




夢は多分見ていない









あぁでも、一瞬だけ見たかもしれない









泣いている愈史郎が私に口付けをする夢







"お前がそばに居るから………俺は幸せなんだ"



"俺の幸せを願うならずっとそばに居ろよ"





夢の中の愈史郎はそう言っていた






夢……………だったのかなぁ

佰参拾壱→←佰弐拾玖

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す