《あんスタ！》失われた輝きと、囚われの舞姫。(明星スバル) (ページ10)

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第五章三舞ページ10

あ…………。」

俺が…いや、きっと誰も見た事も無い彼女が俺の目の前に居た。
ーー思えばこんな感じのAを見たのは初めてとは言いにくかったな……。
初めて出逢った時もこんな風にピリピリして居たのを思い出す。
「…………ハハハッ！」

ーーでも、そんなAも愛おしい。

「何がおかしいんですか…？！」
「可笑しいとは言ってないよ？
ただ、Aの可愛い足掻きが観れて嬉しいって思ってただけ！」
俺がによによと笑うと、彼女は苦虫を噛み潰したように顔を歪ませた。
だが、残念。逆効果だ。
「Aって何もかも可愛いなぁ！流石俺の彼女！」
俺は自分の手の中にあるスマホを彼女に向けながら、そう言った。
ーーまたコレクションが増える…！
「消してください！」
縛られた手を一生懸命に伸ばし、スマホを取り上げようとする。せっかく傷をつけぬ様に縛ったが、自分から傷を付けに来るとは俺の努力は何だったのだろうか。
まぁ、そんなの手当てをするならば問題などない。

問題は、彼女が暴れる事。
あまり、乱暴な事はやりたくないと思って居たが、仕方ない。

ーー睡眠薬を使おう。ーー

保健室の睡眠薬をもしもの時の為、数粒持ち帰って来ていた。それを取り出し、あの時の手段を取る。

「ごめんね？もうちょっと寝ていていいよ。安心しておやすみ。」