《あんスタ！》失われた輝きと、囚われの舞姫。(明星スバル) (ページ8)

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第五章一舞狂気の沙汰ページ8

1日しか経っていない筈なのに、彼女とずっといた様な気分になる。
…云うならば、前世から一緒だった…みたいな？
取り敢えずサリーが奪おうが、俺が奪い返すまでだよね！

さて、時は放課後。午後5時くらいの時間だろうと俺は思う。
体内時計が、そう告げている。
そして、今の時間は丁度彼女のレッスンの時間だ。

この間に大切な準備をしなくてはならないので、保健室にいる。はっきり云うと、保健室は薬品が揃いすぎて怖い。
だが今回だけは、その言葉を撤回しようと思う。
「えっと…睡眠薬、睡眠薬……お！やっぱり有能！」
俺が探していたのは浮気性の彼女を振り返らせる為に閉じ込め、俺を好きになってもらう計画に必須な睡眠薬！
自前に成分配合に関してはネットで調べている。副作用があまり酷くないものを選ばないと。彼女の身体に影響が出たら開発会社まで殴り込みに行こうと覚悟している。
まぁ、使ってみなくては意味などない。砕いて吸わせるくらいなら俺みたいなド素人でも使えるから、時間になったら昇降口に行くか。

「…そろそろ時間だね！……………………楽しみだなぁ。」
ボソリと呟いて、軽く水気の含んだガーゼに砕いた睡眠薬をそっとかけ、正面から向かってくるAが、靴箱に差し掛かったところで、ダッシュで彼女の元へと駆けつけ、首元に軽く腕を掛けた後、口と鼻が塞がるように睡眠薬の付着したガーゼを押し付ける。
「…な…ぜ…？」
彼女はガーゼに付着した睡眠薬を吸うと、そのまま抵抗することもなく睡魔に身を委ねた。
「…よし、帰ろう！」
彼女をおぶり、ガーゼと睡眠薬を隠していた鞄にガーゼを入れ直すと、二つの鞄を取ってその場を去って行った。