《あんスタ！》失われた輝きと、囚われの舞姫。(明星スバル) (ページ3)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:5,094 hit

第2章 1舞昼時のダンサー。ページ3

昼休みとなり、俺はAの元へと向おうと思った。
ホッケーによると、革命について話した後に、彼女は「この学校はよく来たから」と言って、屋上へ行ったらしい。
俺は、駆け足で屋上へと向かう。

何故だか足がとても軽い。

階段を登った先にある扉を勢い良く開けて俺は、覗き見る。

そこには、軽快な音楽に合わせて踊る、あの時の舞姫がいた。
否、今日は昨日と全然表情がいいし、春の風の様に動きが暖かく、優しい。
俺はその美しさに見惚れ、曲が終わるまでの間、我を失いかけた。

曲が終わった瞬間に俺は姿勢を崩してしまい、前方に倒れる。半分くらい身体が見える状態で、手を振りながら俺は言った。
「あ！A～！」
俺が大きな声を出したせいか、急に扉が開き、中から同級生が出てきたせいか、彼女はビクッと肩を震わせ、近くに置いていたジャケットを取り上げ顔を隠した。
「な…何でしょうか？」
ジャケットを盾にしつつ、覗く様に彼女はこちらを見る。
「お昼！一緒に食べようよ！」
「あ……い、一緒に食べます！」
彼女は思い出した様にお弁当を取り出し、柵にもたれかかる様に座った。俺も同じ様に座り、彼女を横目に先程買ってきた焼きそばパンを頬張る。
「どうしてここに来たのかはわからないですが…その…ありがとうございます。」
何故かお礼を言われたが、そんな事をした覚えなどない。
が、感謝されるのは良い気分だ。
「へへん！どういたしまして！」
元気よく返事をする俺の姿に、彼女は不安そうに微笑みこう言った。