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去年、ついにうちの事務所も女性アイドルのプロデュースが解禁となり。
何人かオーディションで受かって、いわゆるJr.になった女の子がいる事は何となく知ってたけど。
既存のグループ、ましてや男だけのグループに入るなんて、未だかつてない事例。
向井「…ドッキリ？もしかしてドッキリですか？」
静まり返る中、最初に声を発したのは康二。
自分も顔が引き攣ったまま、何とか場を和ませようと頑張ってくれているのが分かる。
滝沢「ううん、ドッキリじゃないよ」
穏やかな顔の滝沢くんに首を振られ、康二も黙ってしまった。
岩本「それは滝沢くんの考えですか？」
滝沢「うーん、AをSnow Manに推薦したのはジャニーさんだけど」
ジャニーさん。
その名前が出た途端、俺らは顔を見合わせた。
康二、ラウール、目黒。
この３人は滝沢くんが加入を推薦したと聞いてる。
阿部「それって、いつまでに結論出せばいいんですか？」
滝沢「出来れば、今」
俺「今！？」
そんな大事な結論、すぐに出せるわけがない。
ましてや、知った顔じゃなく、初めて会った女の子。
滝沢「ごめん。でもほら、もう宣材写真撮るから」
それはそうだけど…
朝比奈「あの…」
ずっと俯いていた朝比奈さんが口を開いた。
本当、蚊の鳴くような声だったけど。
朝比奈「私、どっか行ってます。私がここにいたら話し合えないだろうし」
やっと顔を上げた彼女は、確かに整った顔立ちをしているけど、どこにでもいそうなごく普通の女の子だった。
滝沢「あー、そうだね。じゃあレッスン室なら空いてると思うから、そこで待ってて」
朝比奈「わかりました」
そう言って小走りで出て行ってしまった彼女。
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作者名：うさみ
| 作成日時：2023年7月8日 14時
