【◇】群青エース . 20 (ページ8)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:26,347 hit

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今までこんなことは無かったはずなのにどうして今更こんな思いをしているのか栄純自信にも分からない

2球目も御幸の構えるミットとは離れた場所に投げてしまった。

A「球がかなり荒れてる」

御幸(ストライクが入らないんじゃ話にならねぇ、一旦外に構えてカウント稼ぐか)

このまま球の状態が荒れていたら逆に相手のチャンスになるかもしれない場合がある

見てるこっちまで緊張してきてしまうしどんどん心配になる。

御幸(いや、相手は薬師のクリーンナップ上手く躱して凌げるほど甘くはねぇ)

御幸(気持ちをぶつけていくしかないんだ)

深呼吸をして

先頭打者へのフォアボールは最悪、甘い球も最悪、そして弱気になるのが1番最悪

それら全て心の中で言葉にした栄純は投球の姿勢に入り3球目を投げる

が、そのコースは…

A「ど真ん中…！？」

相手にとって打ちやすい真ん中のコース

当然秋葉に綺麗に打ち返され、打球はセンター前へ飛んだ。

自らカウントを悪くし甘い球を投げる、これは投手として1番やって欲しくないこととも言える。

栄純「クッソー…！！」

倉持「切り替えろよー！」

御幸(責める気持ちは見えてるんだ、なのに…また甘く…？)

いくら栄純でもこれほどまでに立て続けに甘い球を投げたことはない

それに本人には責める気持ちだって充分にある、それなのにこの投球

違和感がだんだんと確かなものになりつつある

A(まずい、ここで立ち直らないと…次の相手は今の状況だと最悪だよ)

しかも次に打席に入るのは栄純にとってライバル的な立ち位置にいる雷市

これはさっきのような甘い球を少しでも投げられたら1発ぶちかまされてしまうだろう

初球はアウトコースにボール球、珍しく外から入った球だ。

御幸(よし、ボールに力はある構えたところから大きく外れてないし今のがインコースに決まれば…)

御幸が今出したサインは

雷市の頭にないカットボールを投げることを意味するサイン

胸元に向かって投げるカットボールを今の栄純に投げられるか

栄純(クソッ、うるせぇ…静まれ…この…！！)

ドクンドクンというやけにうるさいくらい大きく聞こえる心臓の音だけが耳に届く

ここで逃げては何も出来やしない