【◇】群青エース . 20 (ページ37)

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純「監督はこの学校の教諭でもあるんだぞ、もしかしてこの学校も辞めるつもりかよ…！」

純「俺は嫌だぜ！！卒業して練習見に来ても監督がいねぇなんてよ！！」

哲「純…」

声が小さかった伊佐敷だがだんだんといつものような大きな声で

監督がいなくなることに反対の声を上げる

この事実を前にクリスも…ついこの間監督と交わしたやり取りを思い出す

─クリス、お前はどうなんだ？勿論勉強の方は心配してないが

─今は父の組んでくれたフィジカル中心のメニューをやっています

─無理はするな、これからだからなお前の野球は

厳しくも選手に寄り添い、誰にでも平等に接して時には背中を押してくれる

そんな監督が他にいるだろうか

純「秋大までって、すぐそこじゃねぇか」

純「何か…俺たちにできることはねぇのかよ」

監督の存在は本人が思っている以上に選手たちには大きなもので

こんなにも大切に思われ、慕われている

秋の大会に更には監督の辞任と次々と大きな問題が新チームと3年生達を襲う

一方現役選手たちは

合宿メニューかよと思いたくなるくらい
何度も走り込みを繰り返し
ボールを触らない練習が続いていた

─何があってもエースは変えない

─もうしばらくの辛抱だ

御幸は膝に手を付き息を整えながら練習を見ている落合コーチに目を向けていた

つい先日言われたこの言葉が妙に引っかかっている

御幸(OBじゃない人がコーチが来た時点で気にはなっていたんだ)

御幸(あの言い方だとやっぱり…なんで監督は何も言ってくれねぇんだ)

3年生全員には知れ渡っている、監督が辞任するつもりでいる話

御幸も薄々その話に気づき始めていた。

「ケツ痛てぇ…」
「ふくらはぎパンパンだよ」
「なんで沢村はいつもあんなに元気なんだよ」

走り込みを終えてほとんどの人が息を整えてたり膝に手をついているのに

栄純だけはめちゃくちゃ元気だし、さっきなんか叫びながら走っていた

栄純「畜生…！！ボールに触りたいぜ！！」

イップスになってから毎日みんながボールを触って練習してる中走り込みをされていたのだからその分体が慣れているのかも

だとしても元気すぎるけれど。