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いつもならなんだその言い方!とか言い返しそうなものが何も言い返せず

ただただ、その心を抉られるのみ。









降谷「悔しいのはわかるけど…」

栄純「ははっ、はははは!!それはそうだよな!!アウトひとつも取れずに3点も取られたら交代させられて当然だよな!」









今どんな気持ちでいるのか、それは考えなくたってわかる

恐らくは同じ投手の降谷がそれを1番よく理解できることだろう

自分が納得していないままマウンドを去らなきゃ行けないのがどれほど悔しく嫌なことか。









栄純「ピンチのままマウンドに立たせて悪ぃな、あとは頼む」









笑って降谷にボールを託したものの

それはいつもの笑った顔なんかじゃなく、若干引きつったような無理して作った笑顔

それでもよく悔しさを爆発させ嫌な感じを出さなかった









栄純(ダメだ、降りるな、マウンドから降りるな)









マウンドから降りたくない、降りちゃいけない、譲りたくない

そう思っているのに意志とは反対に体はどんどんベンチへと向かっていく









栄純(ああ…この感じ、あの時と同じだ)









思い出すのはデットボール直後のあの試合の時のこと

あの時も今と同じような気持ちでマウンドを去ったことを今更ながら思い出す。












栄純(マウンドが遠く…どんどん遠くに離れていく…あの感じ)

栄純(もう二度と、もう二度とあそこには立てない気がした)









ベンチに戻ってきた瞬間、溢れ出てきた悔し涙

誰にも見られないようにと目元を隠していたもののそれはハッキリとわかるもので

それほどまでに今日の結果は悔しいものであの夏の日以来、こんなに強く悔しいと感じたことは今までになかった。









A(栄純…)

A(こういう時、どう声をかけてあげるべきなんだろう…私はこういうことしたことないからわからない)









Aは自分が挫折し、落ち込むばかりで逆に人に前向きな声をかけてくるということの方が少なかった

いざそんなかつての自分と同じような人を目の前にすると

いくら栄純が相手だろうとなにも言葉が出てこない。









A(いや、栄純だからかけられないんだ)









今もずっと隣で声を殺し泣き続ける彼に

どんな言葉をかけたらいいのかどれだけ頭を働かせてもわからず

伸ばしかけた手は何度も何度も引っ込んだ。

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設定タグ:ダイヤのA , 沢村栄純 , 御幸一也   
作品ジャンル:アニメ
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奈子 - 私すごく鳴くん好きですけど沢村くん応援してます笑 (2020年7月3日 10時) (レス) id: 70a16b712e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちあき | 作成日時:2020年6月29日 2時

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