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A「栄純!返すよ!!」
自主練。
Aも珍しくやるといいだし栄純と向かい合わせになってキャッチボール中。
ただ栄純はAに投げてはぼーっとしてAに投げてはぼーっとしての繰り返し。
A(なんでそんなぼーっとしてんのかな、爪とか剥がれた?)
ずっと手を見てたり、空を見てたり
地面を足で掘ったり落ち着きがない。
Aは少し心配になり栄純の元に駆け寄った。
栄純(駄目だ、全然集中できねぇ)
栄純(さっきの食堂でのことがずっと頭に残ってるし…)
Aがこちらに向かってくるのにも気づかないくらい今の栄純は考え込んでいる。
脳裏に浮かぶのは先程の食堂でのAの顔
甲子園予選の開会式の日鳴にキスされた時のAの顔に近い感じの…なかなか見ない顔。
あの顔を見てしまってからどうも変な気持ちになってソワソワ落ち着かないのだ。
栄純(こんな調子じゃ自主練にもなんねーだろ!!)
ソワソワして、くすぐったくて
なんとも言えない感情。
今までそんなに見なかった顔に心臓が跳ね上がっては突き抜けて飛び出しそうな、そんな感じ。
A「…じゅん!!」
A「…いじゅん!」
別に変な気持ちではないはずで
こんな気持ちになったのは初めてじゃない気がする
それも
高校生になってからたまに…目と目を合わせられない瞬間があって
でもそれがなんなのか知るはずもなく。
A「栄純!!」
栄純「うおっ…!!」
A「大丈夫?手、怪我でもしたの?」
栄純「手…?」
気がついたらAがいて
手を掴まれて
心配そうに下から顔を覗き込む…幼馴染みで、家族がいた。
A「栄純ぼーっとしてたから手怪我したのかと心配した、やめてよね投手は手が大事なんだから」
いつもいつも世話焼きな性格で
心配性で
後ろをついて歩くような、そんな存在だった。
でも実はずっと選手としては前を歩いている存在で。
栄純「………なんか変だな」
A「え?変?」
栄純「いや、こっちの話だけど」
時々わからなくなる。
栄純にとってのAはどんな存在で
家族なのか、それとも幼馴染みなのか
またそれとは別の─
A「仕方ないなぁ、集中力切れたなら休憩しよう」
特別な存在なのか。
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ちあき(プロフ) - のまんぼーさん» コメントありがとうございます!!この小説読んで楽しんでもらえてるとはとても嬉しいです!! (2020年5月6日 20時) (レス) id: ea1ceb8449 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ゆかりさん» コメントありがとうございます!今回は意図的にあえてそうしていたのでそう言って貰えて嬉しいです…! (2020年5月6日 20時) (レス) id: ea1ceb8449 (このIDを非表示/違反報告)
のまんぼー(プロフ) - 初めまして。ダイヤのAにハマりました。群青エース小説を読ませてもらってます。とても面白くて楽しみにいつも見ています。素敵な作品をありがとうございます! (2020年5月6日 13時) (レス) id: 4f6369bb7b (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - ものすごい切なさを感じます (2020年5月3日 23時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年4月30日 0時