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その頃別の練習場では鉄壁を誇る二遊間が練習中、いつも通り抜群の安定感だ。
倉持(まじかよこの人…!)
昨日の夜どうしても気になった倉持は自販機で飲み物を買っていた亮介に思い切って聞いてみた。
倉持『亮さん!その足…』
倉持『もしかして…前の試合でホームに突っ込んだ時、痛めたんじゃ』
倉持が心配そうに聞けば亮介は
亮介『だから何?』
至ってそれが普通かのようにいつもと変わらない様子で返した
違うと否定しないあたり倉持の言うことは当たったということだろう。
亮介『レガースにまともに脛がぶつかったからね、多少腫れてるけど』
多少腫れてるけどって普通に言うけれど腫れてる時点で全然普通じゃないし多少じゃない。
腫れていては痛くてまともに走ることすら出来ないだろう。
倉持『多少って…!!』
亮介『大丈夫だよ、試合になったらアドレナリン出まくるし』
本人以上に戸惑い、心配する倉持を
安心させるように大丈夫だと言うが…誰がこの話を聞いたってそんなの大丈夫なわけないと思うだろう。
倉持も実際口にはしなかっただけで、きっと心の中では思ってた。
亮介『これくらいの怪我はみんなだって隠してる』
亮介『それでも…もしチームの足を引っ張ってると思ったらお前が監督に言ってくれ』
倉持にとってこれは重すぎる判断を委ねられた。
怪我を隠さず無理して欲しくない気持ちと
勝ちに行こうと誰よりも頑張っていた3年生の…亮介の気持ちなんか特によく理解していた気持ちが
ぶつかり合ってなんとも言えない気持ちになり、こんなことを委ねられても倉持には決められない。
亮介『1年間コンビ組んできたお前に言われたら納得出来る』
それでも亮介が委ねるのは1年間ともに戦ってきた倉持のことを信頼しているから。
一緒にやってきた倉持だから足を引っ張ってるだとか、そういうことも分かるだろうと思っているのだろうか
そうと分かっていても、誰が言われたとしても…言えっこない。
倉持(いつもと変わんねーじゃん)
一夜明けて今日も隣で守備についている亮介はいつもと変わらない動きだった。
強い男だからこそ、本気で勝ちたいと思ってるからこそ、耐えて耐えて耐えられるのか。
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ちあき(プロフ) - のまんぼーさん» コメントありがとうございます!!この小説読んで楽しんでもらえてるとはとても嬉しいです!! (2020年5月6日 20時) (レス) id: ea1ceb8449 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - ゆかりさん» コメントありがとうございます!今回は意図的にあえてそうしていたのでそう言って貰えて嬉しいです…! (2020年5月6日 20時) (レス) id: ea1ceb8449 (このIDを非表示/違反報告)
のまんぼー(プロフ) - 初めまして。ダイヤのAにハマりました。群青エース小説を読ませてもらってます。とても面白くて楽しみにいつも見ています。素敵な作品をありがとうございます! (2020年5月6日 13時) (レス) id: 4f6369bb7b (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり(プロフ) - ものすごい切なさを感じます (2020年5月3日 23時) (レス) id: 9654438337 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年4月30日 0時