437 ページ8
.
今の球で動かなかった。
動じていない。
でも焦っては行けない。
慎重に、焦らず、正確に攻め込む。
A(カーブの次はストレート、外2球に対して微動だにしない…)
A(外ではなく…インコースを狙ってる?)
どんどんどんどん緊張が走る。
いつ打ち返されてもおかしくはない。
御幸(どっちかに手を出してくれたら助かったんだけどな)
御幸(ここまで来たらとことん厳しいところ攻め込んでいくしかねぇ)
もちろん、自分たちの思うように相手がやってくれるはずがない。
当然攻め込むしか手はない。
雷市(打つ、絶対打つ…!!)
雷市(どんな形でも塁に出る)
そして相手も
今か今かとチャンスを狙い続けている。
死に物狂いで勝ちに行くチャンスを。
雷市(自分が打つことで周囲の期待に応えられるのなら!!)
丹波が投げた一球。
捩じ伏せるか、打たれるかの場面。
コースは…
御幸(甘い…!!)
A(これじゃ打たれる!)
打たれそうな、打ちやすそうな
相手にとっては最大のチャンスになる甘い球。
雷市の打った打球は─
A「後ろ……」
審判や御幸のいる所よりも後ろへ飛んだ。
これはラッキーだったと言ってもいい。
もし前にかっ飛ばされていたらまた状況は変わっていた。
審判「ファール!」
結果はファール。
今雷市は
御幸(打ち損じた…?)
打ち損じた。
だから球が後ろに行ったのかもしれない。
力んでるのか、それともこちらと同じくらい緊張しているのか、気持ちが行き過ぎているのか。
それでも雷市の思いは変わらない。
打つことだけを常に考えている。
雷市「打つ…」
御幸(コイツ…!)
まだ諦めてなんかいない。
まだまだ勝負の途中。
最後まで打つ気持ちは崩れない。
御幸(強めのストレートお願いします、丹波さん!!)
この夏初めてのマウンドに
カーブとストレートの2種類しか投げていないこの投球。
こちら側にはまだ向こうのベンチが知ることのない”切り札”がある。
雷市がまた打ちに行くが
結果は同じくファール。
A(なんとか追い込んだ…)
これで雷市は
こちら側に追い込まれ始めた。
100人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちあき | 作成日時:2020年4月20日 20時