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雷蔵(ぶちかませよ雷市、野球の神様もお前の打席を見たがってるぜ)
薬師が繋ぎに繋いだのはこの瞬間のため。
雷市が打席に入り、飛ばして一発逆転を狙うために。
ついにそれが現実になったというわけだ。
A(状況は点差が3点でこちら側に勝ちが傾いてる、でも…)
A(ここぞという時に、来るもんだ)
この場面でこの打者。
青道にとっては1番嫌で厄介な相手に打順が巡ってしまった。
でも今更変えることなんてできない。
変えることができるのはこの先の結果のみ。
A(2番3番も侮れない、長打になることは意地でも避けないと)
雷市の後ろに控える1年生もかなり打つほうだ。
ここで打たれたら試合の流れも変わっていく。
絶対に打たれてはならない。
御幸(勝負に行きますよ、丹波さん)
真っ向勝負でねじ伏せればこっちのもの。
ビビってたら絶対に勝てない。
3年生の経験か、1年生の力か
どっちが上回るか。
御幸(どの道、この男を打ち取らなければ薬師の勢いを止めることは出来ない)
打たれて終わるか、ねじ伏せて終わるか
会場はさらに盛り上がりを増していく。
選手にとっては緊張が走る場面
観客にとっては非常に面白い場面。
A(私が試合に出て、直接戦ってるわけじゃないのに)
A(ドキドキして、暑さの汗じゃなくて、緊張の汗が止まらない)
Aはどちらかというと前者の気持ちだ。
もしも自分があの立場にいたら
冷静にいられるかどうか分からない。
A「勝たないと許さないって言った」
A「勝つんでしょ、相手の思いどおりにはさせないんでしょ」
暑さによる汗ではなく、緊張の汗が頬を伝い、落ちていく。
厳しい勝負の世界、負けたらそこで道は閉ざされる。
御幸(ここまでの4打席、コイツに打たれたのが2本)
御幸(降谷のストレートに、沢村の高めの釣り球)
となると
攻め方は…
御幸(徹底的に低めに行きますよ)
低めに攻める。
それで全てを終わらせる。
相手を…雷市をねじ伏せる。
審判「ボール！」
御幸「オーケーオーケー、ナイスボール！いいコースですよ！」
コースも球の威力も悪くない。
それでも打席にいる雷市は
御幸(ピクりともしねぇか…)
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作者名：ちあき | 作成日時：2020年4月20日 20時
