【◇】群青エース . 12 (ページ11)

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もうなんだか春市が気の毒に思えてくるが今に始まったことじゃない。

栄純「手ェだせよほら！握手！」

手を自ら出さない雷市の代わりに

栄純が無理やり手を取りほぼ強引に握手をしたその瞬間

栄純「！」

栄純はあることに気がついた。

栄純「アイツの手、岩みてぇに硬かった」

A「！」

握手を交わした雷市の手が岩のように硬かったことに。

栄純(どれだけバットを振ればあんな手になるんだよ…！！)

栄純(どれだけ…！！)

雷市は今までずっとバットを振り続けてきた。

それも普通よりかなり重たい木製のバットを。

その手は雷市の今までを証明しているような、そんな手をしていた。

栄純「絶対…負けたくねぇ！！」

A「じゃあ、もっと頑張らなきゃね」

栄純「おう…！」

その手を掴んで初めてわかった

相手がどれほどの努力を重ねていたのか。

その事実。

まだまだ足りない、勝負するためには

もっともっと努力していかなければならない。

純「お前らも大変だな、あんな怪物と3年間同じとはよ」

亮介「あのチームはまだまだ強くなるね」

亮介と伊佐敷の言葉を聞いて

栄純と一緒に歩いてたAはちょっと苦笑い。

A「そういうこと言われるとなんか怖くなるじゃないですか…」

亮介「勝てるって信じてないの？」

A「いや、信じてますけど今回色々予想外だったというか」

雷市と栄純

1年生同士の戦いは終わるどころか

今始まったばかりだ。

同い年の怪物の存在がまた1つ栄純達の刺激となったことだろう。

御幸「ま、その前にまず今日の反省会だけどな」

クリス「特に沢村は…たっぷりとな」

栄純「たっぷり！？」

でもまずは

今目の前にある課題を無くさないことには

本当に勝つことは出来ないだろう。

御幸「他人事じゃねーぞ、降谷」

降谷「うぐっ…Aちゃん…」

縋るようにAのことを見る降谷。

御幸と違ってAは優しいという認識をしてるらしいが…残念ながらAも若干御幸寄り。

御幸「Aに助けを求めても逃げらんねーぞ、そいつだって俺と同じタイプだし」

A「降谷くん、がんばろ」