【◇】群 青 エ ー ス . 9

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ノートにはかわいい女子らしい字というよりは

丁寧で綺麗な文字が綴られていた。







御幸「こんなに毎日書いてんのか」









その日の練習メニューに加え

練習メニューごとの選手の様子など

事細かに書いてある。








御幸(しかも割と辛辣な意見多めだし、哲さんに関してが異常なくらい多いし)








さすがは元選手と言うだけあって

練習メニューをこなす選手たちを見ている目が違う。

先輩だろうが容赦なく色々分析してあるのがAらしいっちゃらしい。









御幸(試合に出る一軍20人分か…ポジション関係なく、いつもどこ見てんだと思ってたけど)



御幸(俺達選手ひとりひとりを見てたのか)








マネージャーの仕事に加え

自主的に観察しては、自分の思ったことを素直に書き綴ってまとめておく。

それもものすごい情報量。

普段の練習終わりにこれと、あの山ほどの勉強をいつもしていれば寝不足にもなるはずだ。









御幸(俺のページ何書いてんだろうな、多分あんまないかもしんないけど興味ある)









軽い気持ちで


学年別ページの「2年生」と書かれた付箋のとこついているページをめくった。


背番号の早い順に書いてあって他の2年生はみんな丁寧に漢字で書いてあるのに


御幸だけは「かずや」とひらがなでちょっと雑に書かれてる。









御幸「絶対適当に書いたなこれ」








きっちりとした綺麗な字というより

丸文字でかずや。

ちょっと笑った。








御幸「今日は特に言うことは無いけれど強いて言うならいつも思ってるけど降谷くんをいじるのやめて可哀想」


御幸「ほぼ苦情」







特に言うことは無い、これは本音。

そして降谷をいじるな、これも本音。

まさかそんなとこまで見られてるとは思ってなかった。







御幸「他の2年結構褒められてんのに俺のこと全然褒めてねぇじゃん」









ちょっと拗ねた。


いやかなり拗ねた。


倉持や川上はべた褒めされてるのに、これはないんじゃないかと。


やっぱり日頃の扱いが悪いのが原因か。









でもあの日は唯一褒めてくれていた。









”朝、目玉焼きを醤油でビッチョビチョにしたら

”かずやが交換してくれた。”

”いつもからかってくるのに、優しいのかそうじゃないのかわかんなくてびっくりした”

”それに、いつも通りあの時のように接してくれるのが”








御幸「嬉しかった………か」

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