【◇】群 青 エ ー ス . 9

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春市「ねぇ、栄純くん」



栄純「ん？どうした春っち」



春市「いや…ちょっと気になったんだけど、Aちゃん今日体調でも悪いの？」









食堂にて

いつも通り朝ごはんを食べようとしてる中

春市はちょっと遠慮がちにこそっとそんなことを聞いてきた。

たしかに食堂にはAの姿がない。









栄純「あー…まぁ、Aもほら、人間だからな！体調くらい崩すんだよ！」



春市「栄純くんはAちゃんのことなんだと思ってたの…本当に具合悪いんだ」




栄純「あとで朝飯Aの部屋に持って来るように頼まれてんだよ」



春市「ふ〜ん」









栄純は暑くもないのに汗ダラダラ。

何かをごまかしてることくらい春市にはわかった。

明らかに様子がおかしい。

栄純のことだからAが体調を崩したならもっと心配して慌てるはずだと思ったのだ。









春市「降谷くん、元気だして」




降谷「今日Aちゃんクラスにいないんだ…」




春市「朝学校行く前にお見舞い行こうよ」









同じクラス、同じ部活の降谷は

今まで見た事ないくらい落ち込んでいる。

どうやら降谷は栄純の話が怪しいとは感じないようだ。









春市「でも栄純くん、Aちゃん具合悪いのに…誰も看病しないでご飯食べててもいいのかな」



栄純「えっ」




春市「熱あったら大変だろうし…薬も飲まないといけないんじゃない？栄純くんにしてはなんか大人しすぎるというか」



栄純「ぎくっ……そ、それは…」








別に春市は栄純のことを信用してないわけではない。









春市「もしかしてだけど栄純くん、なんか隠してない？」



栄純「そんなわけないでしょう！！俺が春っちに嘘ついたことあったか！？」




春市「今」




栄純「えぇ！？」









実は春市の予想通り、栄純は嘘をついている。

Aは体調なんて崩していない。

前髪を切りすぎたことを気にして部屋から1歩も出られないのだ。









─栄純！明日朝ごはんここに持ってきて！！


─はぁ！？なんで！


─恥ずかしくてこんな前髪みんなの前で晒せない！！


─だから、似合ってるって言ってんだろ！


─無理！朝練行くかどうかは分からないけど朝食だけは…！！







というやり取りがあり

今に至る。

栄純はどうしたものかと焦り始めた。

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