【◇】群 青 エ ー ス . 8

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一瞬だけ

ほんの一瞬、御幸が動揺した。

そして顔が赤くなった。

これはAの勝利だ。









御幸「急にらしくねーなー、どうした？」


A「失礼ですね〜、先輩を激励しようと思ってですね」









内心Aはすぐ消えたかった。

別に御幸に恋愛感情を向けていない。

だから好きとかそういうのはないのだ。









御幸「別に、そんな特別な格好とからしくない言動しなくたっていいんだけどな」








ぎゅっと


でも優しく1回だけAを抱きしめると


何事もなかったかのように離れた。









御幸「お前がいるだけで充分だし」




A「え」









出た。

御幸のサラッと女子が勘違いする言動爆弾。

相手がAだからいいけれどAじゃなかったら勘違いする女がホイホイ現れる。









A「バッカじゃないの…？」









恥ずかしがり屋でそういうのに慣れてないAの顔はすぐ赤くなった。

やっぱりまだ御幸の方が一枚上手だったということか。








御幸「一瞬だけ唆るもんがあったけどまだまだだなー、どんまい♡」



A「そっ……！？！？」



御幸「ま、お前は冗談かもしんねーけど……」









.



.








御幸「俺は全然いいけどな」





.



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A「意味わかんない」


御幸「練習先行ってんぞー」








どうしようもないくらい大好きです

私じゃダメですか？





の答えは








俺は全然いいけどな。






嘘だとわかっていても、返事はいつだって本気なことに変わりはない。









倉持「アイツ……御幸のやつ、かっこつけて先行ったけどよ、耳まで真っ赤じゃねーか」




A「おー！！本当ですか！？私…勝った！？」




倉持「雛瀬、お前……なんかここだけはアイツに同情するわ」









結局

御幸が一枚上手だったのか

Aが一枚上手だったのか

この勝負は引き分けかもしれない。









A「亮介さん！！約束のプリンを！！」



亮介「んー、まぁいいよ御幸の面白いリアクション見れたし」



倉持「やっぱ亮さんの仕業だったんすね」









この後御幸が亮介にAの写真をメールで貰うのは別の話。

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