【◇】群青エース . 8 (ページ37)

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満更でもない。

でも言わない。

御幸「おーい」

しばらくしてから嘘みたいに声が聞こえないので話しかけてみたが

肩に顔をくっつけてるだけで返事が返ってこない。

御幸(おいおい、嘘だろ？)

ご飯も食べて、お風呂に入って

しかも日中学校にマネージャーをしてたら

結構疲れてるだろうし

寝てしまってもおかしくはない。

が

今は御幸の腕の中だ。

寝るか寝ないかと言ったら寝ないし

寝れる環境かといったらそうでもない。

寝られる側は超困る。

寝てる側は別にそんなんでもない。

他の相手だったらやばいと思うが相手は御幸だし、甘えろ、心配かけさせろ、といったのはそっちだと。

御幸「え、本気で寝てんのこいつ」

御幸くん困惑。

Aちゃん爆睡。

御幸は半分嘘寝だったのだがAは本気で寝てる。

何やっても起きないし、頭をぺちぺちしても起きない。

御幸「起きろー、自分の部屋で寝ろって」

A「…………ん……」

御幸「いいのか？俺の隣でそんなに寝ちゃって」

何するかわかんねーぞ

って意味だが

今寝てるAに言っても効果ないだろう。

御幸「お前なぁ、眠いなら帰ってればいいじゃん」

そう言って引き離そうとしたが

逆に御幸がやられることになる。

A「やだ……………」

いつもと違う声

いつもと違う雰囲気

そして離したはずなのにぎゅっとついてくる。

ちょっと、いやかなり、来る。

御幸「やだって…言われてもな」

色んな意味で無防備で

危機感がなくて

前から知り合いだからなのか安心しきってるけど

こっちは気が気じゃないのだ。

御幸「俺さ、お前のこと──」

寝ぼけてぎゅっと抱きついてきたAを

抱き締め返し

本当の気持ちを言いかけた時

こんな大事な時ほど

邪魔が来るのがお決まりで。

邪魔、というよりは

「おいお前…なに手ぇ出してんだよ」

「ちょっとさぁ、そういうのは目に見えないとこでやって欲しいんだけど？」

過保護…というか。

なんというか。

倉持「雛瀬とそういう仲かよ」

亮介「まぁ、御幸もそういう時期だしねー…でもここでしていいとは言ってないかな」

元ヤンと……大魔王？