【◇】群 青 エ ー ス . 6

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亮介「くれるんだ、バレンタイン」









卒業してしまうんだと分かると少し寂しくて

俯いていたAの頭に

ポン、と乗っかったたくさんボールをとって繋げてきた手。









亮介「そのつもりでそんな紙袋持ってこっちのフロアに来てくれたんでしょ？」




A「はい…！！」









卒業式までは泣きません。

絶対。

フラグじゃん、と思ってしまうが

今は泣かない。








A「えっと…これが純先輩、そして増子先輩と丹波先輩とクリス先輩のです」








紙袋から取り出したのは

3年生用に1年生とは違う袋に入れてラッピングしたお菓子。

もしかしたら1番凝ったかもしれない。









純「うまそーじゃねぇか！！ありがとな雛瀬」


A「こちらこそありがとうございます…！」









わしゃわしゃと頭を撫でられた。

こうして撫でられるのももう少ししかない。

なんでこんなに1年って早いのだろう。

こんな時間がずっと続いて欲しいのに。









亮介「ピカ一郎が泣いてるよー」


丹波「泣いてない…」








丹波先輩の頭のツルツル具合は忘れないと思う。

そしてエースナンバーを背負う勇姿も。









A「クリス先輩のはめっっちゃ甘くしておいたので…口に合うといいんですけど」







聞いたところクリス先輩は甘党らしい、ということで他の人達よりも結構甘めに仕上げた。

ちなみにカップケーキとチョコ。







クリス「ありがとう雛瀬」






ありがとうの言葉だけでダバダバに泣ける。

微笑みが眩しい。

あのクリス先輩がシニアの時の私の存在を知っていたことが嬉しかったのに、そんなに優しくされたら爆発しそう。









クリス「沢村のことだが…正直に言うとアイツは手のかかる投手だ、でもやる時はしっかりやる」



クリス「頼んだぞ、雛瀬」








栄純も私も幸せものだ。

栄純はこんなにクリス先輩に期待されてるし

私はそんな栄純のことを任されてる。

いつもの事かもしれないけど直接頼んだぞと言われるともっとしっかりしなきゃと思うのだ。








A「お任せ下さい！」


クリス「甘やかすなよ、すぐ調子に乗るからな」


A「うぐっ…気をつけます…！！」









たまーに、ほかの人たちが厳しいこと言うから私は降谷くんや栄純のことを甘やかしてしまうのだ。


まずそれをどうにかしないことには始まらないというわけか。

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