【◇】群 青 エ ー ス . 6

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A「先輩先輩先輩！！」








3年生のフロアや

元気すぎる野球部のマネージャーの姿。

目の前には

亮介、純、増子、クリス、丹波が。

ちょうど廊下にいた。









亮介「雛瀬、元気なのはいいけどちょっと声が大きいかな」



A「いてっ…！亮介さんのチョップ…久々すぎて涙出そうです」



亮介「じゃああと5回くらいやる？」



A「それは…流石に…」








同じ寮にまだいるとはいえ


近くの部屋にはいないし


食事のタイミングもなかなか合わない。


しかも大体受験勉強に専念してたりするものだから邪魔するわけにはいかないとみんなで気を使って部屋に行かなかった。









純「なんか雛瀬のこと久々に見た気がするな」



A「久々ですよ！この間会ったの…先週の夜です」



丹波「それは割と最近じゃ…」



A「でも夏の頃は毎日会ってたので…それと比べてしまうんです」









1,2年生と一緒にいられるのももちろん嬉しいことなのだが


やっぱりいつも元気で賑やかな先輩たちがいないと未だにどこか寂しさを感じてしまうのだ。



うるさいよ、とチョップしてくる人もいなければ

やってやるこの野郎！！と叫ぶ人もいなければ


みんないないのだから。









クリス「もうそろそろで俺達も卒業だからな、それが当たり前になるぞ雛瀬」



A「卒業って…もう1年くらいいてくださいよ」



亮介「それは嫌かな、御幸と倉持と同じ学年なんて舌噛み切って死ぬほうがいいよ」









ずっとこうなることはわかっていたけれど

思っていた以上にAにとってこの人たちの存在は大きくなっていた。








増子「それはそうと雛瀬ちゃん、3年生のフロアにわざわざどうして？」




A「あ！そうでした、本題忘れてました」




純「相変わらずなのはお前もだな、しっかりしろよ敏腕マネージャー」




A「び、敏腕だなんて……」









今のでマネージャー業に対するやる気がバカみたいに上がった。突き抜けるレベルで。


同じマネの貴子を含め3年生の先輩達に褒められたりするとこうなる。


それくらい大好きな先輩たちだ。








A「皆さんにバレンタインのお菓子を渡そうと思って来たんです」








最初で最後のバレンタイン。

お世話になったのだからほんの少しでも

恩返しがしたい。

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