201 ページ6
.
御幸「てかさー、気になってたから言っていい?」
A「うん」
御幸「お前いつまで君って呼んでるつもりなの?」
2人して並んで
猫の肉球をぷにぷにしてると
突然そんなことを言い出した。
いや早く帰れよ。
A「いきなり馴れ馴れしく名前呼ぶのは失礼だと思って」
御幸「いや、君って呼ぶのもなかなかだけどな」
歳上相手に容赦ないのは
お前も一緒じゃねぇか、と御幸は苦笑い。
御幸「鳴のことは鳴って呼んでるんだろ?」
A「あれは鳴がそう呼んでってしつこかったから」
思い起こされる
しつこい鳴と呼びたくないAの戦い。
結局は鳴に負けたけど。
A「呼び方わかんない」
御幸「うーん…普通に一也?」
ちなみに言っておくと
この時くらいまではふつーの仲だった。
ただだんだん御幸が調子に乗り始めAをいじりAがカチンときて言い返す…みたいな関係になり始める(某プリンス談)
御幸「かわいく一也くんとかでもいいけどな」
A「鳴と一緒にマウンドに2人仲良く埋めてあげる」
御幸「おー、こわっ…その顔だよその顔!塁にいる走者を睨む時の顔それ!」
他にもなんか知らないけど猫言葉で呼ぶだのなんだの言い出すのでとりあえず髪の毛毟っておいた。
A「か……一也?」
御幸「うん、それでいいよ」
なんか知らないけど
親しくなってしまった2人。
鳴がこの場にいたらうるさくなってたことだろう。
A「なんで…話聞いてくれたの?」
御幸「暇だから?」
A「あー、そう」
期待したのが馬鹿だった。
いい意味でも悪い意味でもこの人は遠慮がなさすぎる。
御幸「お前それ、その足でよく走ってたな」
A「まぁ…もう慣れたよ」
御幸「買わねぇの?」
話すことも特になく
少しだけ間が空いたあと
御幸がAのスパイクを見て気がついた。
靴擦れで血が滲んだ足に。
A「家ね、父親がどうしようもない人だから母さんが1人で頑張って働いてるの」
A「私が野球をやる理由は…上手になって母さんに試合を見てもらいたいから」
その為だけに
母親のために
ここまで走り続けるAの思いは決してヤワではなかった。
あの日までは。
184人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちあき(プロフ) - ダイヤ様さん» 個人的に1年トリオが好きなので絡ませてます!これからもガンガン更新していきますね! (2020年2月18日 0時) (レス) id: ea1ceb8449 (このIDを非表示/違反報告)
ダイヤ様 - ちあきさん» 243の話、かなり笑いました!!沢村の優しさと気遣いがいい…!1年トリオの反応も可愛い。更新を楽しみにしてます!! (2020年2月17日 23時) (レス) id: f3c6ebb892 (このIDを非表示/違反報告)
ちあき(プロフ) - すずさん» ありがとうございます!!嬉しいです…! (2020年2月16日 12時) (レス) id: ea1ceb8449 (このIDを非表示/違反報告)
すず(プロフ) - 鳴くんの優しさにキュンキュンしました。素敵な作品ありがとうございます。これからも更新楽しみにしてます! (2020年2月16日 9時) (レス) id: ea774d1f7c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちあき | 作成日時:2020年2月13日 0時