【◇】群青エース . 2 (ページ35)

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AM11:00

やはりAの予想は的中、栄純はクラスで白目むいて爆睡している。

ちょうどこの時間帯は学生のほとんどの人が眠気と戦っている時間だろう。

「沢村くん…寝たら報告するぞって金丸くんが…」

声をかけられると
ばっと起き上がって生き返る栄純。

効果バツグン。

チクられれば練習量は倍になるからなんとしてでもそれだけは避けたい。

あんなの倍になったら今度こそ死ぬぞと。

金丸「ふっふっふ…」

後ろの列の席で前の席までバッチリ見渡せる金丸が常に目を光らせているではないか。

しっかりと監視役としての役割を果たしている。

沢村(うう〜…俺の安住の地はどこにもねぇ〜…！！)

「逆逆！」

疲れからなのか

寝ぼけてるのか

教科書を裏表反対に持つ栄純。

春乃(Aちゃんの言う通りだったかぁ…私も厳しくするよう頼まれてるし、ちゃんと見とかないとね！)

不幸中の幸いなのかAが同じクラスじゃないだけマシだ。

AのいるB組は…

春市「降谷くん…寝てるね…」

A「はぁ…まぁ仕方ないと思うけどね、私よりずっと何倍も朝から動いてるし」

降谷が完璧に爆睡中。

隣同士の春市とAはヒソヒソと喋って降谷の様子を見ていたのだが一向に起きる気がしない。

春市「あはは…」

A「まぁ、起きてもらいますけど…ねっ！！」

他のおバカ2人と違って優秀な春市。

Aも正直今すぐ寝たい気分だが寝るわけには行かないし

寝る=栄純と同じ

栄純と同じ=馬鹿、負け

という思考回路をしているので絶対に寝ない。

なんとか降谷に起きてもらおうと誰にもバレずにAは消しゴムを投げた。

春市「わぁ……すごいや…抜群のコントロール…」

A「休み時間はチョップだね」

抜群のコントロールが効いたAの消しゴム(予備)は見事降谷の頭に直撃。

休み時間はチョップだと黒い笑みを浮かべてるAに春市は見覚えがあった。

春市(なんか…心做しか兄貴に似てるような…)

兄である亮介によく似てる。

似すぎて思わず身震いするレベル。

それもそのはずこの消しゴム投げとチョップは

亮介直伝なのだから。