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A「貴子先輩…春乃ぉ…」
どうしてもトスバッティングをやりたくないAは最後の希望として貴子と春乃に助けを求めたが…
貴子「んー?私も2人に賛成かな、先輩命令!」
春乃「私も…賛成かなぁ、沢村くんわんこみたいに待ってるし行ってきてあげなよAちゃん!」
最後の希望として(勝手に)信じていた2人も
さっさと行ってこい!と言ってしまう現実。
貴子なんて先輩命令、なんて断りにくいこと言ってるし。
完全にわかってる。
ちらっと栄純の方を見ると
確かに春乃の言う通りめちゃくちゃキラキラした目でやろうぜ!早く!やろう!って声にでてないのに言ってるように見える…。
声出てなくてもうるさい。
A「うっ…」
貴子「ほらほら〜!行った行った!元々Aは経験者なんだし心配いらないわよ!思う存分やっといで!」
A「じゃ…じゃあ行ってきます…」
別に栄純のわんこ感に負けたんじゃない
貴子の押しに負けた。
決して栄純に負けたのではない。絶対。
栄純「いよっしゃー!A!やるぞ!」
A「朝から元気すぎ…」
やる気に満ちた栄純はすぐにバットを持って練習場へ。
Aは追いかける気にもなれず、隣に行く気にもなれずただひたむきに頑張るその背中についていった。
A「…………空振り何回目?」
栄純「そんな時もある!」
A「現実から目を背けちゃダメでしょ」
いざトスバッティングをやってみると
空振り連発。
当たってもまぐれにしか見えない。
ボールが当たるタイミングを掴めてない。
A「もう私やめるよ?せっかく投げても当ててくれなきゃ意味ないもん」
栄純「それだけはやめてください!それだけは!!」
A「ならちゃんと当ててよ、期待に応えてくれないと」
そうだ。
期待に応えてくれ。
せっかく強豪中学とか、強豪シニア出身選手がゴロゴロと何10人といる1年の中から一軍へ昇格を決めたんだ。
それが偶然じゃないと、必然的だったんだと言わせるくらいの活躍をしてもらわないと。
栄純「今日髪型普通なのか」
ぽいぽいひたすらボールを投げてると
ぽつりと栄純がそんなことを言い出した。
なんか…すごくガッカリしたような言い方で。
ものすごく、小さな声で。
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年1月22日 0時