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A「行くよっ!!」
栄純「おし!こい!!」
足を高くあげて
まるでピッチャーのように投げるA。
その手から放たれたボールは
栄純「えっ……?」
栄純「A…お前って…なんか力強くなったか?なんか全然違う…」
A「うそー、久しぶりだから力んじゃったかなごめんごめん」
いや…力む所の話じゃない。
明らかに今のボールは…
ただ力んだのが原因とは思えなかった。
栄純が知ってるAじゃないような…
こいつって、こんな球投げれたっけ?と疑問に思ったが気にしてても仕方がないのでしばらく投げ続けた。
A「もう疲れちゃった、ちょっと休ませてー」
Aがもう疲れたということで休憩に。
Aが座り込むと
どこからか誰かが歩いてこっちに来る気配がした。
「ねぇ、君…大丈夫?」
どこかほわっとした口調の
男の子の声。
声が聞こえた方向に顔を上げると…
そこには顔の整った爽やか系の男子がいた。
A「たしか…降谷くん、だったよね同じ1年生の」
降谷「名前、覚えてたんだ。ごめん、なんて呼んだらいいかわからなくて君って言っちゃった」
A「呼び方は降谷くんの好きにしてもらっていいよ」
Aがニコッと笑ってそう言うと
どこか嬉しそうにした降谷。
クールで爽やか系かと思いきや
結構天然っぽい雰囲気があるような…。
降谷「じゃあ…Aちゃん」
A「うん、よろしくね降谷くん」
なぜかこのやり取りだけで打ち解けた。
背が高くてクールな印象がガラリと変わった瞬間でもあった。
すると降谷はAが休憩に入ったため1人でボールを投げてはとっている栄純の存在にようやく気がついた。
降谷「ねぇ、それ面白い?」
栄純「いつからそこに!!」
降谷「キャッチボールの相手くらい、してもいいけど」
実は彼は栄純と同じ1年ピッチャー。
どんな球を投げるのか非常に興味がある。
降谷「楽しそうなとこ悪いんだけど、ちゃんとしたボール投げてよ。君のボール気持ち悪い」
栄純「き、きも…」
投げてみれば、ド直球な感想が
栄純に突き刺さった。
こんな率直に言われたのは初めてでなかなか傷つく。
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作者名:ちあき | 作成日時:2020年1月22日 0時