姫事―ヒメゴト― 【ARS】 (ページ12)

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PiPiPi…

寝坊をしないようにあらかじめセットしておいたアラームの音に気が付き、目を覚ます。

「7時かぁ…」

いつもならここでもうひと眠りするところだが、今日の私は一味違う。

がばっとベッドから起き上がり、洗面所で顔を洗い簡単に身支度を済ませると
リビングでトーストをオーブンレンジにセットし、コーヒーを淹れるために湯沸かし器のスイッチをオンにした。

そしてその間に、お兄ちゃんが帰ってきているかを念のために確認するべく
玄関にクツがあるか見に行った。

「えっ…うそ…帰ってきてる！！」

そこには、昨日にはなかったお兄ちゃんが履いていたらしきクツがきちんと揃えて置いてあった。

慌ててお兄ちゃんの部屋やバスルームなどいろんなところを駆けずり回ってお兄ちゃんの姿を探したけれど、どこにも見当たらなかった。

「なんでいないの…！？」

すると、まるで私の言葉に反応するかのように私のスマホが
ピコンと誰かがメールを送って来たことを知らせた。

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