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さすがに山本家の人間をそのまま帰すわけにもいかなかったのか、客間に通され茶とお茶菓子を振舞われたが、加茂家の人間が顔を出すことはなかった。
『お父さん、お手洗いに行ってもいい?』
父「A、ここは加茂家のご邸宅なんだ。粗相のないようにね。」
心配そうな父の声を背にAはぱたぱたと駆け出し部屋を出た。
加茂家の屋敷は山本家とは比べものにならないほどに大きかった。お手洗いに向かうにも、縁側から庭に出てぐるりと建物を回る必要がある。
『わぁ…きれい』
お手洗いとウソをつき、部屋を抜け出したAは加茂家の敷地内にあるイチョウ並木に足を向けた。
まだ、黄色く色づいてはいないが青々とした葉がしげる並木道には爽やかに風が通る。
憲紀「君は山本家の…?」
唐突に背後から声をかけられて、Aはびくりと肩を震わせた。
『あ…あなたは…えぇと…憲紀…様?』
憲紀「楽に呼んでいい。私も好きに呼ぶ」
『じゃあ、憲紀くん』
御三家の次期当主を随分気軽に呼ぶAに、加茂の口角が少し上がる。
憲紀「君も家を継ぐのかな?」
『はい。たぶん…。』
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[アイク・ブルームーン]アイおっとり(プロフ) - 面白いです!更新待ってます! (2021年8月24日 8時) (レス) id: 466201e21a (このIDを非表示/違反報告)
Ciel - めっちゃ面白いです!吾郎くんがかっこかわいいです。便新待ってます! (2021年8月11日 23時) (レス) id: 5e4a1d1d6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぴっぴ | 作成日時:2021年8月10日 12時